暖かくなり、登山やハイキングなどアウトドアで行うレジャーに出かける方も多いのではないでしょうか。
春のレジャーはとても楽しい一方、危険もあります。注意点を守って、遭難やケガを予防しましょう。
雪崩に注意しよう
春先は、斜面に積もっている積雪全体が滑り落ちてくる「全層雪崩」が起こりやすい時期です。全層雪崩は、時速40キロメートル~80キロメートルで襲ってきます。発生に気づいてから逃げるのは難しいことから、全層雪崩が起こりやすい条件や場所が整っている場所には近づかないようにしましょう。
全層雪崩は、雨が降った後、急激に気温が上昇したときに起こりやすいです。また、過去に雪崩が発生した場所や、斜面に亀裂が入っている場所も、雪崩が起こりやすいと言えます。近づかないようにしましょう。
気象庁は、雪崩による災害が発生する恐れがあるときに雪崩注意報を発令し、注意を呼びかけています。気象情報もこまめにチェックしてください。
遭難に注意しよう
春は天候が変わりやすいです。まず、朝晩の気温差が大きいです。また、山の麓は暖かくても、高度が高くなるにつれて気温が下がり、遭難リスクがあがります。
遭難リスクに備えるためには、計画と準備を入念に行うことが大事です。自分の体力を過信せず、休憩時間を適切に加えながら、体力に沿った安全なルートやペースを計画しましょう。
登山をするときは、名簿、緊急連絡先、登山の日程、ルートなどをまとめた「登山計画書」を作成し、警察、家族、仲間、登山ポストなどに提出するようにしましょう。登山計画書を提出することは、もしものときに円滑な救助活動をすることにつながります。なお、一部の山は登山計画書の提出が義務化されています。こうしたルールを守ることも、命を守ることにつながります。無事に登山を終えた後は、提出先に連絡を入れることも忘れないでください。
クマに注意しよう
春はクマが冬眠から目を覚ましエサを探して動き回る時期であり、山菜採りやハイキングの途中でクマと遭遇する可能性が高くなります。
クマは人の気配を察知すると自ら避けていきます。クマよけの鈴、ラジオなど音の出るものを持ち歩き、人の存在を知らせるようにしましょう。もしもの時に備えて、クマ撃退スプレーを持ち歩くこともおすすめします。
クマとの遭遇を避けるためには、クマの出没情報に注意することも必要です。目撃情報が出た場所には近寄らないようにしましょう。足跡、フンなどクマの形跡がある場合は、すぐに引き返します。
早朝や夕方は、クマとの遭遇率が高くなります。また、雨の日や霧が出ている日は、お互いに存在に気付かず、接近してしまうリスクが高くなります。特に注意するようにしましょう。
服装選びのポイント
春先のレジャーは気軽な気持ちで出かけてしまいがちですが、天候の変化や気温差、虫刺されリスク、紫外線リスクなど様々なリスクから身を守るためには、服装選びにも気を配る必要があります。
虫刺されや紫外線による影響を避けるため、肌の露出は控え、長袖長ズボンを着用します。重ね着が原則で、状況に応じて着脱できるようにしましょう。また天候や気温の変化に備え、アウターを準備しておいてください。防水加工のものがおすすめです。足元は、登山靴、トレッキングシューズなど、それぞれのレジャーに適した靴を選びます。サンダルやヒールのある靴は絶対にやめてください。
服装選びと聞くと、本格的なレジャーで必要なイメージがありますが、ちょっとした散策や、山の麓にある寺社参拝などに出かけるときにも取り入れ、体調不良やケガを防ぎましょう。
まとめ
・雪崩の発生しやすい条件・場所が整っている場所に近づかない
・登山に出かける時は、入念な準備をする
・冬眠明けのクマに遭遇しないように音の出るものを持ち、痕跡がある場合は引き返す
・長袖、長ズボンを着用する
・アウターを準備し、シューズは登山靴やトレッキングシューズなど適したものを選ぶ