秋の行楽シーズンに向けて、宿泊を伴った旅行に出掛ける方も多いのではないでしょうか。宿泊施設では疲れや安心感から防犯意識も緩みやすくなりますが、フロントやカフェ・レストランは宿泊客以外も出入りができるため、これらの場所を中心に窃盗などの犯罪に巻き込まれる危険性があります。旅先で安心して寛ぐためにも、宿泊施設で起こりやすい犯罪を知るとともに、その犯罪を未然に防ぐための防犯対策を身につけておきましょう。
置き引き
チェックインやチェックアウトの時に、書類記入や清算に意識が集中してしまい、大型の荷物にまで気が回らないこともあるでしょう。財布だけを持ってフロントへ行き、荷物やお土産を離れた場所に置いたままにしている宿泊客も見かけます。宿泊施設ではこうした一瞬の隙を狙って、置き引きの犯罪に合うことがあります。数分だからと気を抜かず、荷物は肌身離さず持つようにしましょう。
また、バイキング(ビュッフェ)形式のレストランでは、料理を取りに行っている間に置き引き被害に遭った事例があります。バイキング形式のレストランには余計な荷物は持ち込まず、財布・スマートフォン・ルームキー・部屋備え付けの金庫の鍵などの貴重品は、ポシェットやショルダーバッグに入れて身につけるようにしましょう。
荷物のすり替え
旅先や宿泊施設で、自分が持っているスーツケースやボストンバッグと似たようなバッグを持っている人を見かけたことはありませんか?宿泊施設では荷物の外見が似ているという特徴を利用し、荷物をすり替える犯罪が起こる危険も考えられます。
こうした犯罪のターゲットにならないようにするためには、「荷物にステッカーを貼る」「キーホルダーなどのワンポイントアクセサリーをつける」といった初歩的な防犯対策が効果的です。犯人に「すり替えにくい」という印象を与えるだけでも、防犯効果は高まります。
荷物を荒らされる
窃盗被害の中には、荷物の中から金品だけが盗まれるといった被害もあります。こうした被害を防ぐためにも、荷物を勝手に開けることができないように鍵をかけるようにしましょう。行楽シーズンの宿泊施設では、人手不足から宿泊者が預けた荷物の管理が手薄になりがちです。「フロントに預けたから安心」と慢心するのではなく、防犯対策を徹底するようにしましょう。
旅行用カバンを新たに用意する場合は、鍵が備え付けられているタイプのものを選ぶと安心です。既に所有している旅行用カバンに鍵が備え付けられていない場合は、ホームセンターなどで売っている南京錠などで代用しましょう。
覗き
ホテルの部屋を中心に、防犯対策としてドアスコープが設置されていることがあります。ドアスコープは便利かつ安心感を与えてくれる防犯アイテムですが、身近な持ち物を利用することで逆に中を覗かれてしまうという危険性があります。
ドアスコープは自分が外を覗く時だけ利用すればいいアイテムです。ですから、利用しない時は外から中を覗かれないように塞いでしまいましょう。ドアスコープを塞ぐ時は、「おこさないでください」と書かれたホテル備え付けのマグネットステッカーで塞ぐ方法が、最も簡単です。
また、覗きの対象となるのは主に女性です。女性が一人で旅をする時は、エレベーターホールが扉で区切られるといった防犯対策を徹底しているホテルや、女性専用宿泊フロアを設けている宿泊施設を利用すると、より一層安心です。
まとめ
・宿泊施設では、窃盗や覗きといった犯罪に対する防犯対策が必要
・置き引き対策として、荷物は肌身離さず持つようにする
・荷物のすり替え対策として、荷物に目印をつけておく
・荷物には鍵をかけるようにする
・覗き対策として、ドアスコープはマグネットステッカーで塞ぐ