振り込め詐欺というと、電話で振り込みを指示され、ATMや金融機関に出向いて行うイメージがありますよね。このような従来の手口に加え、犯人が自宅までやってきてお金を直接受け取ったり、キャッシュカードを渡すように迫ったりする手口が確認されています。
騙されないためにも、ありがちな手口を参考にしながら予防策を考えてみましょう。
家族をかたった詐欺
家族をかたった詐欺では、犯人が子どもや孫などになりすまして詐欺をはたらきます。家族になりすました犯人は、「会社のお金を使い込んだ」「投資に失敗した」など嘘を語り、お金が必要なことをアピールしてきます。このようなパターンではお金を指定の口座に振り込ませる手口がよく知られていますが、犯人が直接受け取りに来る手口も発生しているので、注意が必要です。
犯人は、「弁護士がお金を受け取りに来る」「会社の同僚がお金を受け取りに来る」「信頼できる友達が受け取りに来る」など、あなたに顔を知られていない人物(第三者)を装ってやってきます。「第三者がお金を受け取りに来る」という話が出た時点で、詐欺を疑うようにしましょう。
警察・行政・企業を装った詐欺
警察や行政機関など公的な団体の名前を聞くと、安心してしまうことがありますよね。また、自分が利用している銀行や金融機関の名前が出てくると、信頼してしまうこともあるでしょう。このような心理を逆手に取り、警察・行政機関・金融機関などをよそおって詐欺をはたらくケースも横行しています。
犯人は警察官や金融機関の職員になりすまし、「キャッシュカードが偽造されている」「第三者が不正にお金を引き出している」「あなたが現在使っているキャッシュカードは古いカードで、新しいカードに切り替える必要がある」などと語り、自宅までキャッシュカードを受け取りにやってきます。カードを渡してしまうと、現金を引き出されるなどの被害を受けることがあります。
近年の詐欺はお金を振り込ませる従来の手口だけでなく、手口やパターンを変えながら様々な形で行われています。「お金を振り込まないから大丈夫」という甘い理解ではなく、今一度気を引き締めてください。
騙されないためにできること
犯人が自宅までやってくる詐欺では犯人と直接対面することになり、話がこじれたときに力技でお金を奪われたり、暴力などの危害を加えられたりするリスクがあります。このようなリスクを回避するためには、詐欺につながる話が出た時点でシャットアウトし、犯人を近づけさせないことも大事なのではないでしょうか。
犯人は詐欺をはたらくうえで、必ず情報収集を行います。情報収集は電話やメールを使って行われます。番号通知制度を利用し、知らない電話番号が表示されたときは出ないようにしましょう。メールも同様に、知らない差出人からのメールは開かず消去しましょう。電話に出てしまったときは、個人情報を聞かれても話さないようにしてください。会話が続いてしまうと余計なことをしゃべってしまうことがあるので、「答えません」「教えません」ときっぱり拒否するようにしましょう。
家族を装った詐欺では、事前に「電話番号が変わった」と連絡してくることが多いです。このような内容の電話やメールがあったときはうのみにするのではなく、家族が以前使用していた電話番号に連絡をして、本当に変わったのか確かめてみるようにしましょう。
警察、行政、金融機関をかたる人が電話をかけてきたり訪ねてきたりしても、個人情報や暗証番号などを教えてはいけません。また、警察、行政、金融機関の職員が暗証番号を訪ねたり、キャッシュカードを受け取りに来たりすることは絶対にありません。このような話が出たときは詐欺だと思いましょう。
不安なときはすぐに連絡を!
やり取りをしているうえで「おかしいな」「詐欺かもしれない」「詐欺だったらどうしよう」などおかしな点・不安な点を感じたときは、すぐに誰かに連絡をしましょう。緊急性がある場合や危害を加えられる恐れがある場合は、迷わず110番通報をしてください。家族に相談をしたり、警察相談ダイヤル(♯9110)に連絡をする方法もあります。
一人で対応すると不安ですし、的確なアドバイスが得られずに騙されてしまうこともあります。落ち着いて、必ず誰かに相談するようにしましょう。
まとめ
・家族とつながりのある第三者をよそおって、自宅や自宅付近にお金を受け取りにくる詐欺が発生している
・警察・行政職員・金融機関職員をよそおって、自宅までキャッシュカードを受け取りにくる詐欺が発生している
・知らない電話やメールは出ない・開かない
・個人情報は教えない
・警察・行政職員・金融機関職員が自宅までキャッシュカードを取りに来ることはないので、渡してはいけない
・不安なときは家族や警察に相談しよう