「振り込め詐欺」は、大切な預金を奪い取る許しがたい犯罪です。
しかし、どのようにして犯罪者グループは「ターゲット」を定めているのでしょうか?
犯罪者グループの間で名簿が回っている
警察が取り押さえた犯罪者グループは、「名簿」を持っていたといわれています。
この名簿はいくつかのカテゴリーに分けられているのですが、「先物取引をしていた人のデータ」「未公開株を購入していた人」「一戸建てを持っている高齢者」などに分けられていたということです。その名簿には、潜在的なターゲットとなるうる人たちの名前や住所、電話番号だけでなく、電話をしたときの対応状況なども書かれていたそうです。
これらは、言うまでもなく、「振り込め詐欺にひっかかりやすい人」「振り込め詐欺を行ったときに、お金を得やすい人」をまとめたデータです。このようなデータが犯罪者グループの間で共有されているため、リスクの高い人には何度でも電話や手紙が舞い込んでくる可能性があるのです。
名簿からの警告とあらたな振り込め詐欺
このような事態を懸念して、警察の方でも平成24年から「警告」というかたちで注意を促しています。
犯罪者グループから押収した名簿に名前が載っていた人に対して、警察が電話をしたり訪問したり手紙を出したりして警告を出しているのです。これによって、振り込め詐欺を未然に防ごうと考えているわけです。
ただ、これも何度でも言われていることではありますが、振り込め詐欺というのはイタチゴッコです。
「振り込め詐欺の名簿」の存在が徐々に広まっていった結果、これを利用した詐欺行為も出てきているのです。
「振り込め詐欺の名簿に、あなたの名前が登録されていた。これから先被害にあわないようにするために、名前を名簿から消してあげる。そのためには費用が必要」という電話をかけてくる犯罪者グループもあるのです。
2017年には実際にこれによって多額のお金をだまし取られたご高齢の女性もいて、その被害金額は9000万円を超えたとされています。
犯罪者グループにとって、名簿はある意味非常に重要なものです。ただ、それを利用したこの類の犯罪があることも理解しておかなければなりません。
まとめ
・犯罪者グループは名簿を持っており、それを元に詐欺行為を働こうとしてくる
・警察でも、高リスクの人に対して警告を行っている
・しかしそれを利用し、「名簿に名前が載っているから、削除をする。そのためにはお金が必要」と言ってくる詐欺もある
参考サイト
◆警察庁:「被害に遭わないために」
◆nifty:「「オレオレ詐欺の名簿に名前が…」と電話がきた82歳女性 その対応にため息が…」