災害時、あなたが普段飲んでいる薬の対策はできていますか?
日ごろから防災意識を高めて災害による被害を減らすことはとても大切です。
この中には薬の災害対策も含まれてきます。
東日本大震災をきっかけに、薬の災害対策について改めて考えられるようになりました。
自分でできる薬の災害対策についてまとめてみました。
災害時への備え~予備に最低3日間~

震災時、避難所では薬のトラブルが多発しました。
「自分が飲んでいた薬の名前が分からない」「自分が何の薬を飲んでいたのか分からない」また、高血圧や糖尿病の薬を処方したくても、薬の名前が分からず、まったく別の薬を処方してしまったことなど。
災害時、薬に関するトラブルはたくさんありました。
糖尿病や高血圧、てんかんやリウマチなど慢性疾患の方は、毎日正しく薬を飲むことで、病状をコントロールしています。
毎日の服薬が一定量の薬の成分を体内に定着させることによって、慢性疾患を支えています。
薬の種類によっては「リバウンド現象」や「離脱症状」といった副作用が起きてしまい、生命の危険にさらされてしまうこともあります。
このようなことを踏まえ、災害時に慌てないためにも、予備に最低3日分の薬を備蓄しておきましょう。
災害時、避難所に避難することができても、すぐには薬が届かない場合があります。
非常時持出袋やいつも持ち歩くカバンやお財布などに、普段飲んでいる薬3日分を入れておきましょう。
いざというとき、自分を守る物が身近にあれば、それだけでホット安心しますね。
お薬手帳の重要性
薬のトラブルを防ぐためには自分で「薬の情報」を正しく覚えておくことです。
薬の情報とは薬の「名前」と「用法用量(いつ、どのくらいの量を、どのように飲むのか)」のことです。
例えば、私が今飲んでいる薬の情報を明記してみます。
・薬の「名前」
ザイザル錠5mg
・用法用量
1日1回、1錠を寝る前に服用
となります。
薬の情報が分かれば、災害時でも正しく処方することができます。
そのためにもお薬手帳が大切になってきます。
薬剤情報提供書(薬情)も保管
通称、薬情とよばれているものです。
こちらは薬局から発行される薬の説明書です。
お薬手帳に記載されている内容以外に、カラーで示された薬の写真、副作用や日常生活を送る上での注意点などが詳細に記載されています。
お薬手帳は管理していても、こちらの薬情まできちんと保管している人はあまりいないのではないでしょうか?
薬情もお薬手帳と一緒に保管しておくことをお勧めします。
改めて、自身の薬について見直すきっかけにもなります。
薬の管理を二重、三重にして情報を共有
お薬手帳や薬情の保管だけでは万全の対策とはいえません。
災害時、それだけでは情報を持ち出せないことも多々あります。
同居する家族にも薬の情報を保管してもらったり、遠方に住む親戚、友人や知人などにも薬の情報を共有してもらいましょう。
薬の管理を二重、三重にして情報を共有していくことは、災害時における薬の備蓄対策につながっています。
非常時持出袋にこれだけは備蓄しておきたい医薬品

災害発生時、避難するときのために必要になる最低限の医薬品をまとめてみました。
・常備薬(お薬手帳と薬情も忘れずに)
・風邪薬
・解熱剤
・胃腸薬
・鎮痛剤
なお、薬の情報管理は2ケ月に1回、必ず見直していくことが大切です。
慢性疾患であっても、病状によっては処方される薬の種類や量が変わってくることがあります。
古い情報をうのみにしてしまうと、かえって危険な状態になってしまう場合もあるので注意していきましょう。
市販薬チェックも忘れずに
普段、病院から処方されている薬以外にも常備している市販薬のチェックも忘れずに行なっていきましょう。
風邪薬や胃腸薬、鎮痛剤など、よく飲む薬の名前やアレルギーはないかなど、情報をメモしていくことも大切です。
最低限これだけは備蓄しておきたい市販薬3選
・胃腸薬(正露丸)
・解熱剤(バファリンやイブ)
・一般的な鎮痛剤として代表されるロキソニンやボルタレン
まとめ
・予備に最低3日分の薬を備蓄
・お薬手帳で薬の情報を管理する
・薬剤情報提供書(薬情)も保管する
・薬の管理を二重、三重にして情報を共有する
・薬の情報管理は定期的に見直しをする
・市販薬チェックも忘れずにおこなう