ペットは人間と異なり、自分の窮状を訴えることができません。
また、これは人命救助の観点から当たり前のことなのですが、災害時の救出においては当然に人間が優先されます。
そのため、人間とはまた異なる「困ったこと」が起きることになります。
また、ペットを抱えている家庭の場合、「被災者」であるのと同時に、「ペットを守るべき存在」にもなります。
先人たちの「困った」を知り、その対策方法について考えていきましょう。
一番困ったのは○○!
まずは統計に関して見ていきましょう。
「IRIS(アイリス)」が1976人に対してとったアンケートがあります。
これは、「震災後1か月後にどんなことで困りましたか」とペットの飼い主に聞いたものです。
そのなかの1位になっていたのは、「ペットが不安がっていて、落ち着かなかった」というものです。これが19パーセントと、2割近くを占める結果になっています。
災害に際した場合、「飲み水」「食べ物」の困りごとが一番に来る、と思う人も多いのではないでしょうか。しかしこの「精神的な不安」の方が犬猫を疲労させ、飼い主を疲れ果てさせるのだということがこの結果から分かったのです。
もっとも、「水の不安」は16パーセント、「食べ物の不安」も14パーセントと、決して少ない数字ではありません。この3つで全体の「困りごと」の50パーセント近くを締めています。
それ以外、たとえばトイレの不安などはそれほど多くはなく、あまり大きな問題になっていないことが分かります。(トイレシートとトイレ砂は別々の項目で集計がとられましたが、あわせて12パーセント程度でした)
この困りごとからペットを守るためには?
では、災害の時に起こるこれらの問題を解消するためにはどうすればよいのでしょうか。
飼い主との信頼関係を構築しておくことは非常に大切です。また、飼い主が不安がっていたり、落ち着きを失っていたりすると、彼らもそれを察知します。もちろん、災害が起きた時にまったくの冷静でいることは、基本的にはできません。
しかし、飼い主もまた、彼らにすがることで、お互いに「安心感」を持つことはできるのではないでしょうか。
水や食べ物の用意はあらかじめ行っておきます。
人間用のミネラルウォーターは犬猫には向かないという声もあるので、ミネラル分が入っていないものを選びましょう。
まとめ
・災害時における一番の困りごとは、「犬猫が不安になること」
・次点に水や食べ物の問題が来る
・飼い主の不安はペットにも伝わる
・お互いを「安心感の源」にすることはできるのではないか
・水や食べ物は事前に準備を