熊本地震発生後には、消費者庁や国民生活センターなどに災害に便乗した詐欺についての相談が多く寄せられました。大規模災害が発生する度、人の善意を利用した悪質な詐欺が多発します。
手口は様々です。犯罪者は電話や自宅への来訪、メール、SNSなどあらゆる手段で金銭を騙し取ろうとします。詐欺の被害に遭わない為にも、詐欺の実態について知る必要があります。そこで今回は、熊本地震発生後にどのような詐欺に関する相談が寄せられたのか詳しくご紹介いたします。
熊本地震に便乗した詐欺の相談事例
大規模災害が発生した後は、災害に便乗した詐欺被害が増加します。2016年4月14日に発生した熊本地震の後、消費生活センターや国民生活センターには、詐欺の疑いがある相談が多数寄せられました。
例えば、公的機関や団体を名乗る人物から募金や義援金の協力依頼がきたといった募金、義援金、救済に関するものです。実際に寄せられた相談事例では、市役所の職員を名乗る人物が自宅に訪れ、義援金を求めてきたが名刺や腕章がなかった。不審に思い、市役所に直接確かめると伝えると、その人物はその場を去ったというケースがありました。
メールやSNSによる相談も寄せられています。相談事例を見ると、相談者のところに熊本地震に関する義援金募集のメールが届きましたが、内容はサイトのURLだけが記載されていたケース、身に覚えのない義援金の申し込みに関するメールが届いたというケースが確認されています。
SNS関連では、SNSの投稿に「募金」という文字が書かれていたのでクリックしたところ、アダルトサイトの請求画面が表示されたケースがありました。
他にも、被災地救済をうたう被災地の名産品を購入しても商品が届かなかったり、届いた商品が腐っていたりという相談も寄せられました。
災害に便乗した詐欺被害に遭わない為には
災害が発生すると、義援金に関する詐欺被害に遭う方が増えます。電話で義援金の協力依頼があった時は、すぐに応じないようにしましょう。来訪の申し出にも応じてはいけません。
まずは団体の活動状況や使途をよく確認しましょう。実在する団体の職員を名乗るケースもあるので、振込先の口座番号や名義情報が正しいものなのか確認することが大切です。正規の団体であればテレビやラジオ、新聞等で正しい口座番号や名義情報を公開しているものです。
近年プリペイドカードを購入させるといった手口も確認されています。義援金関連でプリペイドカードの購入、そして記載されている番号を教えるように言われた時は、はっきりと断りましょう。通常、公的機関は電話や来訪で義援金の協力依頼をすることはありません。
もし募金や義援金に関する電話が来たらすぐに切りましょう。
義援金に関するメールが届いた時は、記載されているURLをクリックしてはいけません。SNSの投稿から請求画面が表示されるケースもあります。安易にアクセスしたり、相手と連絡をとることもしてはいけません。もし身に覚えのない料金を請求されても、支払わないようにしましょう。
また被災地支援の目的で金銭を支払う場合も、必ず相手先を確認します。募金や義援金、被災地救済等、怪しいと思ったら振り込んだり購入したりせず、消費生活センターや警察に相談するといいでしょう。
自然災害が発生すると親切心を利用した悪質な詐欺が増加します。犯罪者に利用されないように、金銭を支払う場合は慎重に行動しましょう。
まとめ
・大規模災害が発生した後は災害に便乗した詐欺被害が増加する
・募金や義援金の協力依頼に関する詐欺と思われる相談が多数寄せられた
・自宅への来訪、メール、SNS等手段は様々
・詐欺被害に遭わない為にも募金や義援金の協力依頼にはすぐに応じない
・団体の活動状況や使途、口座番号、名義情報を確認する
・メールやSNSに記載されているURLにクリックしない
・身に覚えのない料金を請求されても支払わない
参考サイト
◆独立行政法人国民生活センター 平成28年熊本地震発生に関連する注意喚起
◆「平成28年熊本地震」で寄せられた消費生活相談情報(第3報)-発生1年半にみる相談の推移-
◆熊本地震に便乗した不審なメールやSNSの投稿などにご注意ください!-「募金」をうたってアダルトサイトに誘導するSNSの不審な投稿も-