「災害拠点病院とは(前編)」では、どのような指定要件を満たせば災害拠点病院として認定されるかを簡単にご紹介しました。
今回は、「災害時における医療体制の充実強化について」(平成24年3月 厚生労働省医政局発出)に記載されている、広域災害救急医療情報システム(EMIS)などの、災害拠点病院に関係する用語を解説したいと思います。
災害拠点病院(基幹・地域)
「災害時における医療体制の充実強化について」を見ると、災害拠点病院に基幹と地域という2つの区分があることが分かります。
基幹とは「基幹災害医療センター」を指し、大規模災害などに際して、各都道府県において複数ある災害拠点病院の中心となって災害救護活動を行う病院です。
地域とは、その他の災害拠点病院を指します。
あくまで災害時の救護活動を基準としての区分なので、医療行為の優劣を示したものではありません。
各都道府県の災害拠点病院については、災害時における医療体制の充実強化について(災害医療|厚生労働省)をご覧ください。
広域災害救急医療情報システム(EMIS)
厚生労働省が運営している、大規模災害が発生したときにインターネット上で災害医療情報を共有するシステムです。
都道府県をまたいで情報を集約・共有することで、被災地域での医療行為や救護活動などを適切に行うことができます。
EMISとは、Emergency Medical Information Systemの略称です。
災害派遣医療チーム(DMAT)
大規模災害などの現場に、おおむね発生から48時間以内に到着し医療活動ができるよう専門的な訓練を受けた医療チームで、医師・看護師・業務調整員で構成されます。
DMAT(ディーマット)は、Medical Assistance Teamの略です。
救命救急センター
救急救命センターとは高度な救命医療を行うことの出来る医師・看護師などの医療従事者、および医療機器が設置されている病院を指します。
各都道府県、または人口 100万人に対して1ヵ所設置するように整備されていて、厚生労働省によって指定されます。
第二次救急医療機関
重症患者(治療や手術のために入院が必要な患者)に対応する、救急医療機関です。
さらに重篤な場合は、救急救命センターに搬送されます。
外来で対処可能な軽症患者に対応する病院は、初期(第一次)救急医療機関と呼ばれます。
まとめ
・基幹災害拠点病院とは、大規模災害などに際して災害拠点病院の中心となる病院
・広域災害救急医療情報システム(EMIS)とは、厚生労働省が運営する、大規模災害におけるインターネット上での医療情報共有システム
・災害派遣医療チーム(DMAT)とは、災害などの発生から48時間以内に医療活動が開始できるように訓練を受けた医療チーム
・救命救急センターとは、高度な救命医療が行える医師や医療機器を有する病院
・第二次救急医療機関とは、入院が必要な重症患者に対応できる病院
参考サイト
◆<高度救命救急センター ・ 基幹災害医療センター>基幹災害医療センターのご案内
◆EMIS(広域災害救急医療情報システム) : 茨城県医療対策課ブログ
◆DMATとは?
◆全国救命救急センター一覧
◆救命救急センター及び 二次救急医療機関の現状 – 厚生労働省