災害時のこころのケアは長期的な支援になります。
心理的応急処置(PFA:Psychological First Aid)はすべての被災者に「傷つけない」かかわり方です。
言葉はときに凶器にもなり、相手の信頼をすぐに奪ってしまうこともあります。
よい言葉がけは被災者のこころの支えになります。
心理的応急処置(PFA)とは?
PFAとは「深刻なストレス状況にさらされた人々への人道的、支持的かつ実際に役立つ援助」を意味しています。
被災者に対しておしつけがましくない、災害時に役立つケアや支援を提供していきます。
無理強いをせず、傾聴を大事にした心理的コミュニケーションです。
被災者を安心させ落ち着けるように手助けをしていきます。
混乱した災害現場でPFAを実施することは並大抵ではありません。
PFAは心理的コミュニケーションをとることですが、感情をコントロールさせるカウンセリングではありません。
心理的応急処置(PFA)5つの原則
①安全感・安心感を促す
②落ち着かせる
③個人や集合体の自信を促す
④つながりを促す
⑤希望を促す働きかけ
5つの原則に従って事前準備をしていきます。
被災者を見て→被災者の声を聴いて→必要な支援へとつないでいくことです。
被災者の声を聴くときに配慮すべきポイントとして、無理に話を聴き出さないことです。
支援の配慮は良かれと思ってしたことでも、それが仇になることもあるからです。
無言にも意味があることを理解し、じっくりと待つ姿勢も大事なのです。
心理的応急処置(PFA)とはこのようなものではない
PFAは専門家にしかできないものではありません。
専門家がおこなうカウンセリングとはまったく異なります。
被災者の声を聴くことはあっても、感情や反応を聴き出すものではありません。
PFAは被災者のニーズや心配事の確認をしていくことです。
必要に応じて災害派遣の専門家医療チームへつないでいくこともあります。
被災者の自立を支援し、自分自身でコントロールする力を取り戻せるような手助けをすることなのです。
まとめ
・PFAとは災害現場で実際に役立つ援助
・見て聴いて必要な支援へとつないでいく
・PFAは専門家がおこなうカウンセリングではない