サクラサイトと聞くと、悪徳系出会い系サイトで男性が女性に扮した相手に騙されるものというイメージがあるかもしれません。ところが近年、女性をターゲットにしたサクラサイト、バイトを探す若者や在宅ワークを探す子育て中の主婦をターゲットにしたサクラサイト、女性ファンの多いタレントになりすましたサクラサイトが出現する等サクラサイトの種類はどんどん増えています。もはや老若男女問わず被害者になりうるのが実情で、国民生活センターがこれまでに相談を受けた被害額の合計は100億円を越えています。本記事ではまずサクラサイトの手口を紹介し、その後で被害を未然に防ぐ方法をご紹介します。自己防衛だけでなく、周囲に騙されている人はいないかにも気を付けてお読み下さい。
サクラサイト詐欺の手口

まず、サクラサイト詐欺の手口です。
かわいい女の子とデートしたいと思っている男性、真剣に結婚を考えている女性、在宅で仕事をしたいと思っている人…、人それぞれ願っていることや求める都合ってありますよね。そうした願いを叶えるためのいい方法はないかとインターネットで検索すると、まさに願ったり叶ったりのサービスを提供してくれそうなサイトがヒットするわけです。
そして、サイトの提供するサービスを利用するため、まずはサイトに個人情報を登録します。すると、登録したメールアドレスに連絡が入り、サイト関係者とやり取りが始まります。
しばらく連絡を取り合って懇意になってきたところで、「それでは具体的に女の子を紹介するけどここから先は有料」、「在宅ワークをはじめるためにはまず準備しないといけない道具がある」等とお金を要求されるようになります。また、お金を払った場合、「女の子へのお礼のお金が別途必要」「在宅ワークをするために○○特殊回線を使わないといけないのでその利用料が必要」等さらにお金を要求されます。
ところが、お金を払ってもいつまで経っても、サイトに書いてあったサービスは提供されません。実はそのサイトの運営者には、サービスを提供する能力も準備もないし、そもそもサービスを提供する意志だってない、実態のない会社なのです。インターネット画面なので会社の実態がないことに気づかれにくい、これをいいことにユーザーの願いが叶うことをちらつかせてお金を払わせ続ける。これがサクラサイトです。お金さえ払えば願いは叶うと信じるユーザーは、要求されるままお金を払い、気が付いたら数十万円や数百万円払っていたりするのです。
基本的にはお金を払っても、女の子は紹介されない、在宅ワークに必要と言われた道具も届かないのですが、中には巧妙なサクラサイトもたくさんあります。例えば、きちんとサービスを提供する会社であることをユーザーに信じ込ませるため、サクラサイトの雇ったサクラの女の子を紹介してきたり、何かしら適当な道具を送ってきたりもします。もちろん、それでユーザーの期待するように、かわいい女の子とお付き合いすることも在宅ワークで稼ぐこともできませんので、詐欺に変わりありませんよね。
一方で、結婚したい男女をきちんとつなぐサイトもありますし、きちんと稼げる在宅ワークもありますので、婚活サイトや在宅ワークの情報サイト全てがサクラサイトではないことも、付け加えておきます。
サクラサイト詐欺の功名な手口
ここまで、かわいい女の子とお付き合いしたい男性や真剣に結婚を求める女性、在宅ワークをしたい人をターゲットにしたサクラサイトを例に見てきましたが、それら以外にもサクラサイトの種類は果てしないです。以下いくつか例をあげますので、「かわいい女の子を紹介する」なんてサクラサイトに引っかかるわけないという人も、「これは引っかかるかもしれない」というものがあれば注意してみてください。
幸せになりたい人や占いを頼る人へ「占いの続きを知りたいなら有料」としてお金を要求してきたり、不労所得を考えている人に「絶対儲かる投資方法の完全版を得たい人は有料」としてお金を要求してきたり、ターゲットは老若男女を問いません。(勿論、ちゃんとした占い師の在籍するサイト等なら問題ありませんし、そうしたサイトはお金に見合ったサービスを提供することで成り立っています。)
また、中には婚活サイトに登録したら高齢男性を名乗る男から「遺産を受け取って欲しい」と甘い誘いのメールが来たり、サイトに言われた通り在宅ワークをすすめていると「あなたのせいでトラブルが発生した、示談金を払え」と強い口調のメールがきたり、紹介された女の子から「経営する店がトラブルを起こした、示談金を払えないので自殺しないといけない、厚かましいお願いですが示談金を立て替えてもらえませんか」等当初の目的と違う形でサクラサイトからお金を要求される場合もあります。
それ以外にも、詐欺ではないかと疑い始めて支払いをやめようとしても、「もうちょっとであなたは幸せになれる、ここまでお金を払ったのにもったいない」とこれまで払ってきた費用をちらつかせられたり、「公的機関の審査や手続きは厳しいので時間がかかっているが、着実に前進している」と法的に必要なプロセスを踏んでいると納得させられたり、「たくさんの人があなたのために動いているのに今さら止められるわけないだろ、止めるなら損害賠償を払え」と脅されたり、サクラサイトは様々な方法で支払いをやめさせまいとしてきます。
また、周囲の人に相談しようとしても、例えば紹介された女の子から「私の存在はまだ周囲には内緒ね」と言われていたり、「あなたは在宅ワークの中ですでに法に抵触している、警察に相談するとあなたは逮捕される」と脅されていたり…。サクラサイトは、周囲に相談できないような流れも作っている場合が多いです。
サクラサイト詐欺被害に遭わない為に気を付ける事

以上サクラサイトの手口の一部を見てきましたが、トラブルに巻き込まれないためにまずは心構えです。
「魅力的な誘い、願ったりかなったりの都合のいいサービス、挑発や脅し」があれば敢えてワンテンポおいてください。冷静になった上で、サイト名やサイトのうたい文句、サービス内容を検索エンジンに入力して検索してみてください。トラブルの多いサイトやうたい文句、サービス例は、警視庁や消費者庁等公的機関の注意喚起があります。また、サクラサイト被害を扱う弁護士のサイト等で紹介されていることも多いです。(勿論、公的機関の注意喚起や弁護士のホームページ等で紹介されていないからと言って、安心はできませんのでご注意ください。)
もしサクラサイトに登録してしまった場合、色々な理由でお金をお願いされたり、請求されたり、払うよう脅されたりします。お金を払う前に、周囲の人や国民生活センター等に相談しましょう。また、嫌になるくらいしつこくメールが来ることもありますが、断固として返信しないようにしましょう。その時、周囲に味方になってくれる人がいると心強いでしょう。
ただ、詐欺被害者は自分からは周囲に言いだせないこともあります。周囲の人が最近孤独に悩みを抱えているようだと感じたら、声を掛けてあげましょう。これは、サクラサイト詐欺に限らず、詐欺対策には重要なことですよね。
また、お金を支払っていく中でサクラサイト詐欺に合ったと気付いた場合、支払い後でも各地の消費生活センターや警察等に相談しましょう。自分も自分以外の人も、被害拡大を防ぐことに繋がります。また、そのサイトが詐欺目的で運営されていることやサービスを提供する意志のないことを立証できれば、支払ったお金が戻ってくることもあります。
まとめ
・魅力的な誘い、願ったりかなったりの都合のいいサービス、挑発や脅しがあれば敢えて冷静になる
・サイト名やサイトのうたい文句、サービス内容を検索して、警視庁や消費者庁等公的機関の注意喚起、サイトサクラサイト被害を扱う弁護士のサイトで紹介されているか確認する
・サクラサイトに登録すると、色々な理由でお金をお願いされたり、請求されたり、払うよう脅されたりする場合が多い
・お金を払う前に、周囲の人や国民生活センター等に相談する
・周囲の人が最近悩んでいると感じたら、声を掛けてあげる
・サクラサイトに気が付いたら、お金を支払った後でも各地の国民生活センターや警察等に相談する
参考サイト
◆国民生活センターホームページ