2011年に起こった東日本大震災、2016年に起こった熊本地震の記憶は未だ鮮明ですよね。この他にも各地で相次いで地震が発生しており、地震の脅威は身近に潜み続けています。
今後起こると考えられている地震の中でも、広い地域で大規模な被害が出ると予想されているのが南海トラフ地震です。この大規模災害に備えるためにも、まずは南海トラフ地震がどのような地震なのか、どの地域で起こる地震なのかについて知識を深めてみませんか?
「南海トラフ地震」という名称はどこからきたのか?
南海トラフ地震という名称は、その発生源を由来としています。日本列島は大陸プレートの上に乗っかっています。その大陸プレートには複数の海洋プレートが沈み込んでおり、その境目を「トラフ」と呼んでいます。複数のプレートが沈み込んでいるトラフですが、そのうちの一つであるフィリピン海プレートは、宮崎県沖から静岡県の相模湾という広い範囲で、毎年数センチずつ沈み込んでいるのが確認されています。フィリピン海プレートに押された大陸プレートは徐々に歪みを蓄えており、この歪みが限界に達すると元に戻ろうとする力が働き、巨大な地震が発生します。この地震が日本から見て南の海にあるトラフで起こることから、「南海トラフ地震」と名付けられました。
過去にも同じ場所で地震が起こっている
南海トラフ地震は過去に何度も起こっている地震です。代表的なものとしては1944年の昭和東南海地震と、1946年の昭和南海地震があります。南海トラフ地震は100年から200年ほどの間隔で繰り返し起こっています。また、一度地震が起こると同じような場所で立て続けに大きな地震が発生するため、大きな地震が一度起こったからといって安心するのではなく、長期的な視野を持って注意をすることが大切です。
2017年現在では、1946年に起こった昭和南海地震から70年を経ていることから、同じ場所で再び大きな地震が起こるリスクが高まっていると言えるでしょう。
今後の対策は?
地震調査研究推進本部事務局によると、今後起こり得る南海トラフ地震の規模はマグニチュード8~9クラスで、30年以内に地震が発生する可能性は70パーセントと考えられています。政府の予想では、死者は33万人に達するのではないかと言われています。
南海トラフ地震は、九州、中国、四国、近畿、東海、関東など被害が予想される地域が広範囲に及びます。そのため、政府や研究機関では被害を予防するために地震速報技術の向上や、応急対策計画が組まれています。こうした動きに応じて、個人でも南海トラフ地震に備えることが重要なのではないでしょうか。まずは自分が住んでいる地域の避難経路や避難所の確認、防災グッズの備蓄と見直しを行いましょう。避難訓練が実施されている地域では、積極的に参加してください。
災害が発生した時に自分の身を守ることができるのは自分自身です。南海トラフ地震の危機が迫っていることを日頃から意識し、自分が住んでいる地域で地震が起こった時にどのように行動すべきか、シミュレーションを行うことが身を守ることにつながります。
まとめ
・南海トラフ地震は日本の南にあるトラフと呼ばれる地形で起こるので名づけられた
・南海トラフ地震は100年から200年周期で大きな揺れを起こしている
・日頃の防災への心がけが対策として大切
参考サイト
◆地震調査研究推進本部事務局「南海トラフで発生する地震」
◆内閣府「南海トラフ巨大地震、首都直下地震の被害と対策に係る映像資料」
◆内閣府「南海トラフ地震対策」