地震や土砂災害など、災害の発生は誰にも予測できませんよね。日本気象協会の調べによると、約3割の人が外出先で被災している現実があります。通勤や仕事で車を利用している人は、車の運転中に被災する可能性もあるということです。
車の運転中に災害に巻き込まれた時は、どのように行動するのがベストなのでしょうか。今回は、車の運転中に災害に巻き込まれた時の対処法についてご紹介します。
車の運転中に地震が起こった時の対処法
車を左側に停止させ、状況を確認する
車の運転中に地震に遭遇すると、「いち早く避難をしたい」「家族が心配だから早く帰りたい」など、不安を抱いたり落ち着かない気持ちになったりすることがあります。ですが、周囲の状況を確認せずに走行を続けると、二次災害に巻き込まれたり緊急車両の走行の妨げになったりしてしまいます。まずは車を停止させ、地震の規模や周囲の状況の確認といった状況把握に努めましょう。
車を停止させる時は急ブレーキや急ハンドルを避け、道路の左側に停車させます。停止させたらラジオをつけて、地震の情報や周囲の道路状況の確認を行いましょう。
避難を開始する時はルールを守る
車を置いて避難を開始する時は、緊急車両の走行や交通整理の邪魔にならないように、道路の外に車を移動させるのがベストです。でも、大きな地震の時にはそのような余裕は無いかもしれませんよね。緊急に非難をする時や止むを得ない事情で道路に車を置いて避難をする時は、「エンジンを切り、車の鍵は付けたまま、窓を閉め、ドアロックをしない」で非難をしてください。これは、あなたの車が通行の妨げになった時に移動できるようにしておくための処置であり、大変重要なことなのです。
水害に巻き込まれた時の対処法
「運転中に豪雨が降った」「台風の中を走行した」「付近の川が氾濫した」など、運転中に水害に遭遇することがあります。水害に巻き込まれた時は、車が水没する可能性を考慮した行動が求められます。
車は水没すると動かなくなります。JAFの走行テストによると、多くの車は水深60センチメートルでエンジンが停止することが確認されています。エンジンが停止する前に、早めの行動を心がけることが重要です。付近の水位が上昇してきた時は無理に走行するのではなく、安全な場所に車を停止させて避難を開始しましょう。
また、水没した車には近寄らないでください。車にはバッテリーと呼ばれる大きな電源装置があり、感電する可能性があるからです。水没した車を取りに行く時も、無理にエンジンをかけないようにしましょう。無理にエンジンをかけると、感電や火災の危険があるからです。車が水没した時は、自動車販売店、JAF、保険会社などに連絡を入れ、その後の行動について指示を受けたり話し合ったりするようにしましょう。
車から脱出するための手段
水没によってエンジンが停止すると、車の中に閉じ込められる危険性があります。JAFが提供するVR動画では、水没が開始した車は2分程度でドアが開けられなくなり、5分後にはハンドル部分まで水に浸かることが示されています。水没を開始した車からは、速やかな避難が求められていると言えるでしょう。
水没を開始し、ドアが開けられなくなった車から脱出する時は、シートベルトをカットし、窓ガラスを割って脱出経路を確保しましょう。
窓ガラスを割って脱出するという方法は、水没に限らず車内から脱出する時に使う方法です。万一の時のことを考え、脱出用ハンマーやシートベルトカッターを日頃から車に備えておくようにしましょう。
まとめ
・運転中に災害が発生した時は車を左側に停車させ、周囲の状況把握を行う
・車を降りて非難をする時は、車を道路外に移動させておく
・車を道路外に移動できない時は道路の左側に寄せ、エンジンを切って鍵をつけたままにしておく
・水害に巻き込まれた時は、車から早めに脱出をする
・水没した車には触れない
・車には脱出用ハンマーや、シートベルトカッターを用意する
参考サイト
◆日本気象協会「備蓄の心得 外出先で災害に遭ったときのために」
◆静岡県警察「車を運転中に地震が起きた場合」
◆JAF「冠水路走行テスト」
◆JAF「360度動画でVR体験!水没車両からの脱出【解説版】」