みなさんは、洗濯機による子どもの事故が発生していることをご存知でしょうか?総務省統計局によると、平成21年時点の洗濯機普及率は約99%となり、ほとんどのご家庭に洗濯機が置かれていることが分かります。
洗濯機は身近にある便利な家電製品の一つですが、子どもの事故には注意が必要です。過去には、洗濯機によって子どもが命を落とす痛ましい事故が発生しているのです。
そこで今回は、洗濯機による子どもの事故の実態と安全対策についてご紹介いたします。身近なものほど危険性について考える機会が少なくなりがちなので、この機会に子どもの安全対策について考えましょう。
洗濯機による子どもの事故
洗濯機による子どもの事故が後を絶ちません。消費者庁に寄せられた事故情報によると、5歳児が全自動洗濯機に手を入れたことで洗濯物が指に挟まれた事故が発生しています。この事故では子どもの薬指がねじれ、切断することになりました。
他にも、子どもがドアを触っていることに保護者が気づかずドアを閉めてしまい、1歳児が手を挟まれる事故も発生しています。
洗濯機の事故では手指の負傷だけではなく、死亡事故も確認されています。事故が起きたのは2015年。7歳児がドラム式洗濯機に閉じ込められて、窒息死したというものでした。
ドラム式洗濯機には、ドアを閉めた後は中から開けることができない仕組みのものが多いでしょう。この事件では、7歳児が自ら洗濯機の中に入り、外に出られなくなったとみられます。洗濯機に閉じ込められて死亡する事故は、2021年にも大阪府で発生しています。この事件では、ドラム式洗濯乾燥機の中に児童が入り込んで窒息死しています。
洗濯機による子どもの事故を防ぐには
好奇心旺盛な子どもは洗濯機の中がどうなっているのか気になっても、危険性については十分に理解していません。ドラム式洗濯機の場合、蓋の高さは子どもが中に入りやすい位置にあるので注意が必要です。
洗濯機による事故を防ぐ為にも、子どもを洗濯機に近寄らせないようにしましょう。自ら中に入ろうとしていなくても、中をのぞいた時に誤って入り込む可能性も考えられます。
保護者の説明が理解できる年齢の子どもであれば、洗濯機に入ると息ができなくなる危険性があることを教え、絶対に中に入らないという約束をしましょう。
他にも手指を挟めたり、コンセントに触れて感電する危険性もあるので、洗濯機に近寄らせないようにします。
洗濯機の近くに台を置かないようにする対策も必要です。台に登って洗濯機の蓋を開け、手指が洗濯機に絡まる事故が発生しているからです。水が溜まっている状態で洗濯機の中に転落すると、子どもが溺水する可能性も考えられます。
洗濯機を使わない時は、子どもが中に入らないように蓋を閉めておくこともポイントです。洗濯機にチャイルドロック機能があれば活用しましょう。
メーカーによって操作方法は異なりますが、チャイルドロック機能を使うと子どもが蓋を開けられなくなります。もし機能が備わっていない場合は、ゴムを使って簡単に蓋が開かない仕組みにしましょう。
子どもの事故は保護者が目を離した一瞬の隙に起きます。気密性の高いドラム式洗濯機の中に子どもが入っても、助けを呼ぶ声は聞こえません。事故が起きてからでは遅いので、子どもの命を守る為にも日頃から安全対策に努めましょう。
まとめ
・洗濯機による事故では手指の負傷だけではなく死亡事故も発生している
・ドラム式洗濯機の蓋の高さは子どもが入りやすい位置にある
・子どもを洗濯機に近寄らせない
・説明が理解できる子どもであれば洗濯機の危険性を伝える
・洗濯機の近くに台を置かない
・洗濯機のチャイルドロック機能を活用する
・気密性の高いドラム式洗濯機の中に子どもが入った時中の声は聞こえない
参考サイト
◆消費者庁 Vol.517 洗濯機での事故に注意!
◆消費者庁 Vol.563 洗濯機での事故に気を付けましょう!
◆独立行政法人国民生活センター ドラム式洗濯機に子どもが閉じ込められて死亡!