「雪害」とは、雪によって生じる災害のことで、主に降雪地帯で起きることが多いです。ただ、降雪地帯に住んでいる方は雪が降って積もるのは当たり前で、それなりの備えをしています。もっとも困るのは、普段冬であっても雪の降らいない地域に、雪が降り積もった場合です。今回は、雪害について解説しましょう。
降雪地帯でも起きる雪害とは!?
冒頭でもお伝えした通り、降雪地帯に住んでいる方にとっては、雪が降り積もるのは当たり前で、それなりの備えもされています。それでも、起きる雪害もあります。屋根に積もった雪は、雪下ろしをしないと、雪の重みで屋根が壊れてしまいます。ですから、ある程度雪が積もったら屋根に上り、雪下ろしを行うのですが、足元が悪い上に積もった雪でバランスを崩すこともしばしば・・そんな時に、屋根から転落してケガをする災害が起きてしまいます。
屋根からの雪が頭に直撃する
屋根に積もった雪は、自重で屋根から落下します。そのタイミングは全く分かりません。特に水分を含んだ「ベタ雪」が降り積もり、屋根から滑り落ちてくるとかなりの重さの塊なので、頭に直撃すると脳震とうを起こしたり、頭から出血したりするケガを負うこともあります。
融雪層や水路へ転落する
道路に積もった雪を除雪する際に、積もった雪は「融雪層」と呼ばれる、雪を溶かすための施設へ投入したり、水路に投入したりして除雪を行います。この時に、足を滑らせたり、バランスを崩したりして、融雪層や水路に落ちてしまうことがあります。中の水は当然「0度以下」なので、心臓まひによって死亡したり、脱出が遅れて死亡したりするケースも多い事故です。
除雪機で大けがを負う
降雪地帯の方は自前で「除雪機」を所有している方が多いです。特に豪雪地帯では、人力で除雪すると時間がかかり除雪している間に、また雪が積もってしまいます。なので、除雪機で一気に除雪をするのですが、雪質によっては除雪機が止まってしまうケースもあります。その時に、故障を直そうとエンジンを止めないで修理を行い、手や足が機械に巻込まれる事故が毎年起きています。この事故では約7割の方が、40代~50代の方となっています。
事故に遭わないための「事故防止10箇条」
ここで、雪害(除雪事故)に遭わないための、国が提唱する「事故防止10箇条」をご紹介しましょう。
1:作業は家族、となり近所にも声かけて2人以上で!
2:建物のまわりに雪を残して雪下ろし!
3:晴れの日ほど要注意、屋根の雪がゆるんでいる!
4:はしごの固定を忘れずに!
5:エンジンを切ってから!除雪機の雪詰まりの取り除き
6:低い屋根でも油断は禁物!
7:作業開始直後と疲れたころは特に慎重に!
8:面倒でも命綱とヘルメット!
9:命綱、除雪機など用具はこまめに手入れ・点検を!
10:作業のときには携帯電話を持っていく!
滅多に雪の降らない地域での雪害とは
降雪地帯では、降雪地帯ならではの雪害がありました。では、滅多に雪が降らない地域での雪害とは何なのでしょう。それは、車のスリップ事故や転倒によるケガが多発することです。
雪への備えが全くない!ノーマルタイヤで事故が多発
滅多に雪の降らない地域では、降雪地帯では当たり前となる「スタッドレスタイヤ」は準備していません。使う場面が無いので、余分なお金をかけて万一のために用意している方は、ほとんどいないのが現状です。
ですから、雪が降り1cmでも積もってしまうと、朝の通勤ラッシュではそこらかしこでスリップ事故を起こしています。最も多いのが「アンダーパス」での事故です。下りはいいのですが、上り坂はスリップして登れないばかりか、車自体が横向きになってしまいます。そこに、後続車が下り坂を走行してくるので、衝突して道を塞いでしまいます。
アンダーパスでなくても、少し上り坂になっている箇所では、大抵スリップして側溝や水路に脱輪して、渋滞を招いています。いつもなら、30分で到着する距離が3時間以上かかったり、雪が溶けるまで渋滞が続いたりして1日中動けないケースもあります。
スタッドレスタイヤがない場合は、車を運転しない
このような状況になるのは、目に見えているはずなので、滅多に雪が降らない地域で雪が積もった時には、スタッドレスタイヤが無い方は車の運転を控えた方が良いでしょう。もしくは、数万円でスタッドレスタイヤを用意しておくのも良いアイデアです。車をぶつけてしまい修理すれば、修理代で十分スタッドレスタイヤは購入できますからね。
雪が積もった歩道を歩いて転倒する
車だけでなく歩行者も、必ずといって良いほど事故に遭っています。雪国では当たり前の、スノーシューズをもっていません。雪が積もっているのにパンプスや、革靴で歩く方が多いです。当然、雪で固まった歩道では滑って転倒してしまいます。
高齢者の方も、長靴は履いていますが滑り止めはついていないので、転倒するケースが多いです。打撲や骨折するお年寄りも多くなっていますから、注意が必要です。
まとめ
・降雪地帯では「事故防止10箇条」を守ろう
・雪が滅多に振らない地域ではノーマルタイヤで雪道を走らない
・雪の降った歩道を歩くならスノーシューズを利用する