地震が発生した際に発表される情報の中で、「マグニチュード」「震度」という言葉を耳にしますよね。地震が多発している昨今ですから、こうした情報が何を意味しているのかを正確に理解しておくことも、身を守ることにつながるのではないでしょうか。
今回は、地震発生のメカニズムや、震度とマグニチュードが何を意味しているのかなど、地震の基礎知識についてお伝えします。
地震発生のメカニズム
地震はプレートと呼ばれる岩盤がずれることによって発生する現象です。日本周辺はユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートなど複数のプレートの上に位置していることから、地震が発生しやすいという特徴があります。
地震にはプレートの境界で起こるプレート境界地震と、プレートの内部に力が加わることによって起こるプレート内地震があります。
プレート境界地震は、陸のプレートの下に海のプレートが沈み込む時に陸のプレートが引きずられ、引き込まれたプレートが耐えられなくなってもとに戻ろうと跳ね上がった時に発生します。2003年に起こった十勝沖地震、2011年に起こった東日本大震災が代表的なプレート境界地震です。
プレート内地震はプレートの内部に力が加わって発生します。沈み込むプレートの内部で発生する地震と、陸のプレートの浅い場所で起こる地震にわけることができます。陸のプレートの浅い場所で起こる地震は我々が住んでいる場所の近くで発生するため、被害が大きくなる傾向があります。1995年に起こった阪神淡路大震災、2004年新潟県中越地震、 2016年熊本地震は、陸のプレートの浅い場所で発生した地震として知られています。
マグニチュードは何を示しているの?
地震が発生した際に発表されるマグニチュードは地震の規模の大きさを示していて、「M」と表記されます。マグニチュードが大きくなればなるほど、規模の大きな地震と言うことができるでしょう。
一般的にマグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーが32倍になると言われています。東日本大震災はマグニチュード9.0と、世界でも最大規模の地震でした。
震度は何を示しているの?
マグニチュードが地震そのものの規模の大きさを示すのに対し、震度は地震によって発生する揺れの強さを示しています。
揺れの強さは地震の規模、震源からの距離などによって変化します。マグニチュードが小さな地震であっても、陸地の浅い場所で起こった場合(震源地が近い場合)は、揺れが大きくなることがあります。
震度は「震度0」から「震度7」まで、10階級で示されます。以下は気象庁が示す震度と揺れの状況です。
震度0…揺れを感じることはない。
震度1…室内で静かに過ごしている人の中には、わずかな揺れを感じることがある。
震度2…室内で静かに過ごしている人の多くが揺れを感じる。
震度3…室内にいる人のほとんどが揺れを感じる。
震度4…ほとんどの人が驚くほどの揺れが起こる。電灯など釣り下げ型の物は大きく揺れ、据わりの悪い置物は倒れることがある。
震度5弱…大半の人が物につかまりたいと感じる。棚の食器や本などが落下することがある。固定していない家具が移動したり、不安定な物が倒れたりすることがある。
震度5強…物につかまらないと歩くことが難しい。棚の食器や本など落下するものが多くなる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。
震度6弱…立っていることが困難である。固定していない家具の大半が移動し、倒れることもある。タイルや窓ガラスが破損・落下することがある。耐震性の低い木造建築は傾いたり倒壊したりすることがある。
震度6強…這わないと歩くことができない。飛ばされることもある。固定していない家具の大半が移動し、倒れる物が多くなる。大きな地割れ、大規模な地滑りや山崩れが発生することがある。
震度7…耐震性の低い木造建築は傾いたり倒壊したりするものが多くなる。耐震性の高い建物が傾くこともある。耐震性の低い鉄筋コンクリートの建物は倒れることが多くなる。
東日本大震災では宮城県栗原市で震度7が観測されました。また、宮城県・福島県・茨城県・栃木県などで震度6強を観測しています。
筆者が住んでいる地域は東日本大震災で震度5強の揺れが起こり、立っていることができない・キャスター付きの洋服ハンガーが移動する・カラーボックス内に保管しておいた本が落ちる・食器棚の上に置いておいたものが落下するといった状況を経験しました。
大きな揺れは怪我や命の危機の恐れがあります。早めの避難を心がけましょう。
まとめ
・地震にはプレート境界地震とプレート内地震がある
・マグニチュードは地震そのものの規模を表す
・震度は揺れの強さを表す
・地震の規模が小さくても、強い揺れが起こることがある
・東日本大震災は規模・揺れの強さの両方から見て最大規模の地震であった
・東日本大震災を教訓にし、早めの避難を心がける