自動車を運転する時や横断歩道を渡る時、必ず確認するものとして信号機があります。
正常に動いている時は何も問題ありませんが、イベントや災害によって機能しないときは、警察官が交通整理を行い、車両の運行を制限します。
しかし、警察官の指示が正確に伝わらなければ事故が発生する危険性が高まってしまいます。
2017年1月3日の午後1時頃、箱根駅伝の復路である東京都千代田区国道1号線の交差点で、神奈川大学のランナーが規制を抜けた車に轢かれそうになるトラブルがありました。(
ドライバーの方は免許を習得する際に習っている手信号の意味を改めて学び、停電などのトラブル時に対応出来るようにしましょう。
交通整理とは
警察官などにのみ認められた行為
手信号がどの様な動作か確認する前に、手信号を行う警察官が持つ権限について確認しましょう。
道路交通法第六条にて警察官等の交通規制という項目があり、そこには手信号などで警察官と交通巡査員という法律で指定された役職の者が交通整理を行う事が出来るとされています。
一方で警備員の様な強制力を持たない職業の方が車両を誘導する場合は、警備員等の検定等に関する規則第一条四項にて交通誘導警備業務とされ、交通整理という言葉を避けています。
これは、交通整理が一部の権限を持つ者に限られる強制力を持つ行為である事を示しています。
車両の運行に関して危険を回避する場合を除くと、警察官による指示に従う必要があることを第一に覚えておきましょう。
手信号の種類
手で示す以外にも方法がある
手信号の意味と種類は道路交通法施行令第四条に定められています。
大きく分けて、素手で指示する場合と灯火を用いる場合がありますが、基本的に素手の時に行う指示がベースとなっています。
下記にそれぞれの青信号・黄信号・赤信号の各パターンを記載します。
〇青信号の時
・素手の場合、警察官が横へ水平に腕を伸ばしている時に、平行する道路にいる場合。車から見て、指先が向いている時。
・灯火の場合、灯りが振られている方向に進行する場合。車から見て、進む方向へ灯りが振られている時。
〇黄信号の時
・素手の場合、横へ水平に伸ばされていた腕が垂直に上げられている間のみで、青信号から変更される場合のみ。
・灯火の場合、灯りが警察官の図上に掲げられている間のみで、青信号から変更される場合のみ。
〇赤信号の時
・素手の場合、横へ水平に伸ばされた腕に対面する場合。車から見て警官が左右に腕を伸ばしている状態。
・灯火の場合、灯りが振られている方向に対して対面する場合。
交通規制の場合は、手信号等によらず警察官から止まるように制止されることになります。
信号機と比較して、手信号等による交通規制はドライバーから確認する事が難しい傾向にありますが、災害による停電などで信号が使えない場合には、必須の技術になります。
しかし、警察官もすぐに問題となっている交差点などにたどり着ける訳ではないので、信号が使えない交差点へ車を侵入させる時は、青信号と同じように突っ込まないように減速して、譲り合いの精神を持って利用するようにしましょう。
1人1人の心がけで、交通事故などの二次災害を防ぐことができます。
まとめ
・交通整理は法的な強制力を持っている
・手信号は分かり難いがしっかり従う必要がある
・警察官が居ない場所でも、譲り合うなどして交通事故を防ぐようにしよう
参考サイト
◆手信号による交通整理(もし信号機が消えてしまったら) 警視庁
◆法令検索 電子政府の総合窓口 e-Gov