みなさんは、小学一年生の交通事故が多いことをご存じでしょうか?死者や重症者数は六年生の数倍程度。ついこの間まで保育園や幼稚園に通っていた子供達は、危機管理能力が高いとは言えません。周囲の様子を確認することなく、道路に飛び出す子どももいます。
大きなランドセルを背負い、期待と不安に胸を膨らませる新一年生が痛ましい事故に巻き込まれることがないよう、しっかりと対策をとる必要があります。今回は小学生の歩行中における交通事故の実態と、事故を防ぐ為の対策についてご紹介いたします。
小学一年生の交通事故の実態
警視庁によると、小学一年生の歩行中の死者・死者重症者数は他の学年に比べて最も多いことが分かりました。学年別で見ると、平成26年から平成30年までの歩行中の事故による死者数で最も多いのは小学一年生となり、28人です。次いで小学二年生が20人、小学四年生が11人となりました。死者数が5人だった小学一六年生と比べると、小学一年生の死者数は約5.6倍多くなります。
次に歩行中の事故による死者・重症者数ですが、小学一年生が872人で最多となり、小学二年生が799人、小学生三年生が630人と続きます。小学六年生の死傷者数は他の学年と比べると最も少なく、243人でした。死者重傷者数をそれぞれ見ていくと、小学一年生は小学六年生の約3.6倍の死傷者数だということが分かります。
小学生の歩行中事故による死傷者数を時間帯別でみると、最も多いのは15時から17時。特に16時台の事故が目立ちます。7時の事故も多いことから、小学生の交通事故は通学時間帯に発生しやすくなるでしょう。交通事故発生状況を月別でみると、新一年生では4月から6月までの事故が多く、特に5月に事故が多く発生しています。
交通事故が発生する原因では死者・重傷者数は3,182人のうち、飛出しによるものが1,239人で全体の38.9%を占めます。横断違反は559人で、17.6%となります。
小学生の歩行中の事故を防ぐには
小学生、特に小学一年生の事故を防ぐ為にも横断の仕方を子どもにきちんと教えましょう。
まず、横断歩道をわたる時は必ず立ち止まるように子どもと約束します。たとえ青信号でもそのまま進んだりしてはいけません。先述した通り、急な飛び出し事故で命を落とすケースが多いので、必ず立ち止まり、左右をよく見て、車が止まっていることを確認してから渡るようにします。近くに横断歩道や信号機がある交差点がある場合は、そこまで行くようにしましょう。
信号のない横断歩道の場合、片方の車が止まっても、反対側の車が子どもの姿に気が付かない可能性があるので、車が確実に止まっていることを確認する必要があります。横断中も気を緩めず、左右を確認し続けましょう。
それから保護者と一緒に何度も登下校の時間帯の通学路を歩き、子どもの視点で危険な場所、注意しなければならない場所を確認するようにします。その際、トラックやバス等の大型車両からは子どもの姿が見えにくいことも教えましょう。運転者は子ども存在に気付かずに右左折し、事故を引き起こすことがあるので信号が青だとしても注意しなければなりません。
車両や自転車が飛び出してくる危険性がある為、交差点や曲がり角にも注意します。必ず立ち止まって頭を少し出し、左右を確認するようにしましょう。
これらのルールは新一年生には入学してからも繰り返して教えるようにします。
小学校に入学すると子ども1人、もしくは友達同士で道路を歩く機会が増えます。子どもが命を落とす痛ましい事故を防ぐ為にも交通ルールを教えたり、日常的に大人が見本となるような行動をとりましょう。
まとめ
・小学一年生の死者・死者重傷者数は六年生の数倍多い
・通学時間の事故が多い
・飛出しによる事故が多い
・事故を防ぐ為に交通ルールを教える
・立ち止まり、左右を確認し、車が止まっていることを確認することが大切
・子どもと何度も通学路を歩き危険個所を確認する
参考サイト
◆警察庁交通局 歩行中児童の交通事故の特徴等について
◆政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報 小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.6倍!新1年生を交通事故から守るには?