SNSをコミュニケーションツールや情報収集ツールとして活用している方が増えています。同時に、SNS利用者をターゲットにした犯罪も横行しています。被害に遭わないためにはどうしたらよいのでしょうか。SNS利用時の基本的な注意点について考えてみましょう。
パスワードは厳重に管理する
SNSを利用する際は、パスワードを設定しますよね。パスワードが第三者に漏れてしまうと、あなたになりすまして誹謗中傷行為を行ったり、名誉棄損にあたる書き込みを行う・詐欺行為をはたらくといった「なりすまし」被害に遭う可能性があります。また、なりすました人がインターネットオークションなどを利用すると、金銭的な被害を受けることもあります。
このような被害を防止するためには、パスワードを厳重に管理する必要があります。「第三者に教えない」「生年月日など他者に推測されやすいワードを避ける」「英数字や大文字小文字などを組み合わせて推測されにくくする」などの基本的な対策をとりましょう。
安易に個人情報を公開しない
SNSで本名やメールアドレスなどの個人情報を公開していませんか。SNSは不特定多数の人が閲覧することができることから、公開した個人情報が悪用される可能性があります。例えば住所や名前を公開し悪用されると、ダイレクトメールが頻繁に送られてくるようになります。電話番号やメールアドレスを公開すると、勧誘・迷惑メール・詐欺メールなどが送られてくる原因になります。
個人情報を搾取されないようにするための最も簡単な方法は、SNS上に個人情報を公開しないことです。ヘッダー部分に記載しないようにするとともに、投稿前に必ず内容を見返し、個人につながる情報を記載していないか確認する癖をつけましょう。
個人情報は組み合わせることによって、個人を特定することができるようになります。「これぐらいなら大丈夫かな?」と甘く考えるのは止めましょう。
子どもは個人情報を投稿することのリスクを、十分理解できていないことがあります。子どもにSNSを使わせる場合は、登録前に個人情報の大切さについて教えるとともに、日頃の会話の中でも気を付けるようにうながしましょう。
個人情報を安易に入力しない
企業の公式アカウントや公的機関を装って個人情報を打ち込ませる詐欺が発生しています。個人情報を入力する前に、必ず公式アカウントかどうか確認するようにしましょう。
似たような手口で、ダイレクトメールでURLを送り付けて詐欺サイトに誘導する、興味をひく投稿とともにURLを掲載し、詐欺サイトに誘導するといった例も確認されています。個人情報を搾取されないようにするためにも、安易にURLをクリックしない・安易に個人情報を入力しないように注意してください。
写真の取り扱いについて
写真の投稿はSNS利用の醍醐味ですよね。ところが、写真から膨大な情報を得ることができることを知っていますか?
写真にはExifと呼ばれる情報(撮影日時・位置情報・カメラの情報など)が記録されます。つまりあなたが、いつ・どこで・どのようなカメラで撮影したのかという行動記録が記録されているのです。このような情報が記録された写真を投稿することは、自分の行動記録を不特定多数の人に向けてばらまいていることと同じであり、ストーカー被害などを生み出しかねません。写真を投稿する際は、事前にExifを削除するようにしましょう。また、写真に位置情報を記録しないように設定しておくこともおすすめします。
写真は、写っている内容から個人を特定することもできます。例えば電信柱や信号などが写っていると、大まかなエリアを特定できます。また、背景から大まかな場所を特定することもできます。エリアが特定されるとストーカー被害などにつながりやすいので、投稿は慎重に行ってください。
「鍵付きアカウント」だからといって安心しない
鍵付きアカウントは、自分が承認した人しか閲覧できないという安心感があります。そのため、個人情報や個人を特定することができる情報・他者を攻撃したり誹謗中傷したりする内容などを投稿してしまうことがあります。ところが、悪意を持った人がフォロワーに紛れ込んでいる場合、投稿した内容が悪用されることがあります。悪意がなかったとしても、友達などが不用意に拡散してしまうこともあるでしょう。
SNSに投稿するときは鍵付きアカウントだからといって安心するのではなく、内容に責任を持つようにしましょう。
儲け話に注意する
SNSには在宅ワークや投資など、ビジネスに関する話や儲け話があふれています。その中には信頼できる業者だけでなく、詐欺や架空の儲け話もあります。「講習のためにお金を振り込んでほしい」「投資の元手となるお金を振り込んでほしい」など金銭を要求されたときは、行動にうつす前に疑ってみるようにしましょう。
性犯罪やストーカーのターゲットにならないためにできること
SNSをきっかけに、子どもや女性が性犯罪やストーカーの被害に遭うケースが発生しています。近年頻発しているのは、下着や裸の写真を撮影し、送信するように要求される・実際に送信してしまう被害です。SNS上で仲良く交流していたとしても、自分の写真を送ることはやめましょう。個人情報も教えないでください。
SNSで交流している人と実際に会う際も注意が必要です。過去には「SNSで知り合った相手にわいせつな行為を撮影された」「画像や動画をインターネットで拡散すると脅された」といった被害が発生しています。このような被害を防止するためにも、SNSで知り合った人と安易な気持ちで会わないようにしましょう。
まとめ
・SNSのパスワードは第三者に知られないように設定・管理する
・個人情報は安易に書き込まない、教えない、入力しない
・写真を投稿するときは記録された情報を削除する
・鍵付きアカウントだからといって安心しない
・儲け話や金銭の要求があったときは疑って慎重な行動を取る
・SNSで知り合った人に写真を送らない、気軽に会わない