太平洋側ではまだまだ乾燥した日が続き、火事も多く発生しております。2017年2月16日に発生した事務用品の大手通販会社アスクルの物流センター火災は12日間燃え続けて28日に鎮火しました。
どうして火がなかなか消えなかったのか、閉所における火災に対する安全管理をこの倉庫火災から学んでいきたいと思います。
火災の原因
段ボールが火元か
今回のアスクル倉庫火災では、トラックに荷物を積載するフォークリフトの車輪が段ボールの上で空回りし、その摩擦によって火災が起きたと考えられています。
ただ、防火設備が動いた様子は確認されておらず、今後火災原因の究明とともに原因解明が必要とされています。
倉庫火災の特徴
密閉空間で消火が難しい
倉庫の特徴としては、窓が少なく荷物が山積みになっているという事が挙げられます。
これは視野が狭くなり易く、消火活動が非常に難しいという事を意味します。
山積みの荷物は可燃物として燃え広がり易くなる要因にもなり、火災の危険性を増しています。
窓がないという環境は空気の流入は少なくなるという事ですが、これは屋内の酸欠を招く一方で、可燃性ガスや高熱の空気が溜まる事で局所的な火災が一気に燃え広がるフラッシュオーバー現象を引き起こします。
逆に消防隊が中へ入ろうとする際に爆発的な燃焼を起こすバックドラフト現象が発生する可能性もあるのです。
倉庫火災の防火対策
火種を最小限にする
倉庫は物流の荷物を管理する施設である以上、大量の可燃物を取り扱う必要性を避ける事は出来ません。
そこで大切になるのが、火種となるものを出来る限り減らす事です。
照明などの電気設備は出来るだけ漏電対策が行われた物を使用し、フォークリフトなども安全管理に気を付ける必要があります。
段ボールといった可燃物が転がっている状況は避けねばなりません。
防火設備に関しては消防法によってスプリンクラーや防火シャッターの取り付けが義務付けられていますが、防火カーテンを取り付けるのも有効な方法です。
これは区画を超えた延焼を防ぐのに効果的な方法で、カーテンのためシャッターほど大規模な設備は必要なく、作業の邪魔にもなり難いという特徴があります。
空母といった軍事関係施設の防火設備として用いられる場合もあります。
ただ、長時間火災を放置すれば天井や別の階へと燃え移って広がる可能性があるので、火災を見つけたら初期消火に務める事が大切な事を忘れないようにしましょう。
倉庫火災は家庭の火災よりも大きな被害を招く危険性があります。
従業員ひとりひとりが防火対策を意識すると共に、消防訓練もしっかり行いたいですね。
まとめ
・倉庫火災は消火が難しい
・倉庫の火災を防ぐには、火種を減らして防火設備を充実させると共に、初期消火に務める必要がある