汗をかく夏は、水分補給が欠かせませんよね。意識的に取り組んでいる方も多いでしょう。
水分補給は誤った方法で行うと、かえって健康を害してしまう恐れがあります。適切な飲み物や適切なタイミングについて理解を深め、夏を健康に乗り切りましょう。
水分補給が必要な理由
人間の体の60%は水分でできていて、生命維持に重要な役割を果たしています。体内の水分は排泄・発汗・呼吸などによって、一日2500ミリリットル失われます。健康維持のためには失われた量と同等量の水分を補う必要がありますが、そのうちの1.3~1.5リットルは食事で補給したり、体内で生成することによって補うことができます。水分補給では、残りの1.0~1.2リットルを目安に補給するようにしましょう。
水分補給のやり方
①一度に大量摂取しない
水分を一度に大量摂取すると、体内の電解質バランスが崩れる可能性があります。また、腹痛など体調不良の原因となることもあります。一度の水分補給ではコップ一杯程度の量(180ミリリットル)をゆっくり補給することを心がけましょう。
②こまめな補給を心がける
こまめな水分補給とは、のどが渇く前のタイミングで行うことが目安となります。また、体内の水分が失われているタイミングでの補給もおすすめです。具体的には、朝起きた時、会社や学校に着いた時、家事をこなした後、仕事の休憩時間、入浴の前後、寝る前を意識してみましょう。
水分補給を忘れてしまう人や、高齢者などのどの渇きを自覚しにくい人は、時間を区切って補給する方法もおすすめです。「10分おきに一口飲む」「1時間かけてコップ1杯程度の水分を飲む」といった方法を取り入れてみましょう。
③汗をかいたときは水分補給をしよう
運動をすると大量の水分を失うため、運動の前後には必ず水分補給を行いましょう。運動中にどれくらいの水分を失うのかという点については運動の種類や個人差があります。発汗量やのどの渇きに応じた対応をとるようにしましょう。
また、夏場はその場でじっとしていたり、少し動いたりしただけで汗をかきますよね。汗をかいたときも、体内の水分が失われています。意識して水分を補給してください。
水分補給に適した飲み物
①水
日常的な水分補給には水が適しています。最も手軽なのは水道水です。日本の水道水はきちんとした水質管理が行われているため、そのまま飲んでも問題ありません。抵抗がある場合は浄水器などを設置してみましょう。浄水器はホームセンターやインターネット通販でも購入することができます。
ミネラルウォーターを使った水分補給もいいですね。ただし、ミネラルウォーターの中にはミネラル分を多く含んでいるものがあり、人によってはお腹を壊してしまうことがあります。自分の体に合ったミネラルウォーターを選ぶようにしましょう。
冷たい水を飲むとお腹をこわしてしまうという方は、白湯やさまし湯を作って水分補給をしましょう。
②お茶・コーヒーの大量摂取は注意が必要
緑茶・コーヒー・紅茶は気分転換につながったり、仕事に集中できる側面がありますよね。ところが、これらの飲み物には「カフェイン」が含まれています。カフェインには利尿作用があるので、かえって体内の水分を排出することにつながってしまいます。
お茶やコーヒーは適量にとどめ、水分補給をするときはできる限りカフェインの少ない飲み物を選びましょう。お茶が好きな方は、ノンカフェインの麦茶などがおすすめです。
③糖分入りの飲み物が日常的な水分補給に適さない理由
ジュースなど糖分がたくさん入った飲み物は美味しいですよね。ところが、糖分入りの飲料を日常的に飲み続けると糖分の過剰摂取となり、糖尿病を引き起こすことがあります。適量を楽しむ程度にとどめましょう。
④スポーツドリンクの注意点
汗をかくと体内の塩分も失われていきます。スポーツドリンクには塩分が含まれていることから、運動をする時や、屋外作業などたくさん汗をかいた時の水分補給に適していると言えるでしょう。
ただし、スポーツドリンクには糖分も含まれていることを忘れてはいけません。日常的に飲み続けると、糖尿病など生活習慣病にかかるリスクを上げます。大量に汗をかくときの水分補給に利用してください。
⑤脱水や熱中症が疑われる際は経口補水液を
脱水に陥っているときや、熱中症が疑われるときの水分補給には経口補水液が適しています。経口補水液とは塩分と糖分を素早く補給できる飲み物であり、脱水症状の改善に効果があります。ドラッグストアで購入することができるので、熱中症や発熱による脱水に備えるために、自宅に常備しておくとよいでしょう。
経口補水液は脱水を起こしているときに適した飲み物であり、日常的な水分補給には不向きです。持病がある方は飲んでもいいかどうか、あらかじめ医師に相談しておきましょう。
まとめ
・水分補給はこまめに行うことが大切
・汗をかきやすいタイミングや、時間を区切って補給しよう
・日常的な水分補給には水が適している
・カフェイン入りの飲み物や糖分入りの飲み物は適量を楽しむ程度にとどめる
・スポーツドリンクは汗をかいたときの補給に利用しよう
・脱水が疑われるときは経口補水液がおすすめ