西日本豪雨と呼ばれる2018年6月28日から7月8日にかけて起こった集中豪雨は、死者224名・行方不明者8名・負傷者459名に及ぶ甚大な被害を出しました。住宅への被害も大きく、豪雨後の家屋の掃除や片付けが心身の大きな負担となりました。
今年も水害の季節がやってきました。水害の片付けには怪我のリスクや衛生面など、注意すべき点がいくつかあります。今回は水害後に片付けを行う時の注意点についてご紹介しますので、梅雨や台風の時期に向けて理解を深めておきましょう。
被害を把握し、記録する

水害が発生した時は片付けを始める前に、家の被害状況を記録しておく必要があります。こうした記録は罹災証明書の発行や保険金の支払いに必要になるので、忘れずに行いましょう。
被害状況を記録する時はカメラで浸水状況(浸水した深さ・場所など)を撮影しましょう。1ヶ所だけでなく、4方向から複数枚記録します。家の中も忘れずに撮影し、家電など家財の被害状況も記録します。
肌の露出を控えた服装をする
水害が発生した室内は木材や金属など思わぬものが散乱していて、怪我をするリスクが高まります。作業を行う時は素手や素足を避けることは大前提です。そのうえで肌の露出を控えた服装を心がけましょう。
「震災がつなぐ全国ネットワーク」のリーフレットでは、以下のような服装を推奨しています。
・頭部はヘルメット、帽子、タオルで保護する
・上半身・下半身はヤッケと呼ばれる作業着が望ましい
・首にタオルを巻く
・手はゴム手袋で保護する
・足は長靴を履く
・マスクを着用する
・メガネやゴーグルで目を保護する
感染症の予防を心がける

水害が起こった場所では汚水が溢れていることがあります。また、暑くて湿度が高い時期や場所は細菌やカビが発生しやすいため、感染症の予防を心がけましょう。
片づけをする時は必ずマスクを着用し、うがい・手洗い・手指の消毒をこまめに行います。
家屋は泥などの汚れを落とした後に流水や水拭きで洗浄し、消毒をしてください。家財も流水で洗浄するか水拭きをしてください。畳やじゅうたんなど水で濡れて使えない物は処分します。
大分県のサイトでは食中毒予防のために、浸水した食品や冷蔵庫の故障などにより保存温度が保たれていない食品は、できるだけ口にしないように呼びかけています。適宜処分してください。
熱中症予防を心がける

西日本豪雨の片づけは暑い時期と重なったため、熱中症の症状で緊急搬送された方がたくさん出ました。片づけを行う時は熱中症予防を心がけることも重要な課題であるのではないでしょうか。
熱中症予防のためにはこまめな水分補給・塩分補給が大事です。短時間で片付けを終えようとするのではなく、意識的に休憩を取り、水分を補給してください。
熱中症予防には太い血管を冷やすことも効果的なので、首元に保冷剤を巻くなどの対策もおすすめです。
まとめ
・片付けを始める前に被害状況を記録する
・肌の露出を控えた服装で作業をする
・感染症対策を行う
・熱中症対策を行う