2011年の3月のあの大震災のときに実感した人も多いかもしれませんが、私たちの生活に欠かすことのできない「水」は、時に恐ろしい悪魔となって私たちを襲います。
特に「洪水」という言葉は、多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回はその洪水のなかから、特に「内水」について取り上げましょう。
内水って何のこと?
「内水」は、「ないすい」と呼びます。
私たちが通常、「洪水」と聞いてイメージするのは、「河川の水が、大雨によって水かさを増し、町を襲う状態」なのではないでしょうか。これもたしかに「洪水」であり、「外水(による)氾濫」であると言えます。
対して内水は、「河川から水があふれて、それが町を襲う」というものではありません。内水のときにあふれるのは「河川」ではなく、「下水管などの、町にある水」を差します。
このため、これによる水の被害は、「内水(による)氾濫」、もしくは「浸水害」と呼ばれます。
これが起こる原因は、外水のいときと同じく、大雨や台風によるものです。また、外水と一緒に起こることもあります。
被害状況について
「下水管などの水があふれるものであるのなら、そんなに大規模な被害にはならないだろう」と考えてしまいがちです。
しかし実はこれはは、住人の日常生活に大きな影響を与えます。ライフラインの断絶や交通網の不通をもたらし、時には人の命を奪います。
特に電力と鉄道は影響を受けやすいものです。数時間の停電が起こったり、鉄道が動かなくなったりします。鉄道の不通は、場合によっては2か月以上もの間続くこともあり、決して「影響が小さいもの」ではないのです。
ちなみに、2000年に起こった「東海豪雨」では外水氾濫と内水氾濫が一緒に起こったため、2メートル以上も浸水した、という記録があります。また、この豪雨では、10名もの尊い人命が失われました。
現在はハザートマップが整備されていますし、警報も鳴らされるようになっています。これらに注意し、避難経路を確保するなどの取り組みをしなければなりません。
また、雨の量が多くなっているときには、絶対に水場の近くにはいかないようにしましょう。
まとめ
・外水は「河川などの氾濫」、内水は「下水道など、町のなかにあるものの氾濫」を意味する言葉
・両方が起きることもある
・内水は、ライフラインに深刻な影響を与える。交通網がダメージを受けたり、停電したりする
・過去には痛ましい事件もある
・大雨のときは水場に近づかない!