みなさんはカプセル入りスポンジ玩具の危険性について、国民生活センターで注意喚起がされているのをご存知でしょうか。子どものおもちゃには、危険が潜んでいます。使い方を誤ると命にかかわる重篤な事故につながることがあるのです。
今回は、カプセル入りスポンジ玩具の事故状況や危険性についてご紹介いたします。
子どもの動きは予測不可能なので、おもちゃで遊んでいるときは大人が注意深く見守る必要があります。特に小さい子どもには注意しなければなりません。事故は起きないと油断せず、事故が起きるあらゆる可能性を考えましょう。
カプセル入りスポンジ玩具の事故とは?

まず、カプセル入りスポンジ玩具とは、水やお湯に入れて遊ぶ子ども用の玩具です。ゼラチンのカプセルの中に、恐竜や動物の形のカラフルなスポンジが入っており、水やお湯に入れるとゼラチンが溶け圧縮されたスポンジが出てくるというものです。当該商品は、医薬品で使われるカプセルと同じくらいの大きさですが、水やお湯に入れてスポンジが膨らむと約5倍のサイズになります。3歳以上が対象年齢です。
詳しい事故内容を見ていくと、入浴中、何らかの理由で4歳女児の膣にカプセル入りスポンジ玩具が入ったようです。保護者が見ていない隙に起きた事故でした。その後4ヶ月間、女児は不正出血や患部のただれ、強い臭気などの体調不良が続き、複数の医療機関を受診しましたが、原因不明。その後、血尿によって小児科を受診したときに産婦人科を紹介されて、MRI検査で膣内に膨張したスポンジが入っていることが判明したのです。カプセル入りスポンジ玩具はレントゲンには写りにくいので、本人から膣に入れたことを言われなければ判明することは難しいようです。体内に入り込んでいることが確認されてから、全身麻酔をかけて摘出手術を行い、現在は回復しています。
これまでカプセル入りスポンジ玩具による事故は1件のみです。今回の件により、誤嚥や窒息といった類似の事故がおきる可能性が考えられることから、消費生活センターから生命・身体被害に関する重大事故として消費者庁に通知されました。
カプセル入りスポンジ玩具の事故を防ぐための対策とは

カプセル入りスポンジ玩具の事故を防ぐためには、遊んでいるときに目を離さないようにしましょう。玩具を保管する場所も、子どもの手が届かない場所にしなければなりません。
今回は膣の中に入る事故が起きましたが、口や鼻、耳、肛門などに玩具を入れる類似の事故が起きる可能性が考えられます。もし口や鼻にカプセル入りスポンジ玩具が入ってしまうと、窒息の恐れがあるので大変危険です。保護者は、子どもが遊ぶ前と遊んだ後の玩具の数が合っているかを確認すると共に、体調の変化も注意深く観察しましょうね。万が一玩具が体内に入ってしまった場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。
今回のケースでは、4歳女児は約2ヶ月間毎日のように入浴中にカプセル入りスポンジ玩具で遊んでいたようです。対象年齢は3歳以上なので、年齢は適合していますよね。保護者は、膣に入る事故を想定できたでしょうか。子どもの行動は予測不可能で、時に大人が理解できないようなこともします。使い方を間違えると、どのような玩具でも事故は起きる可能性があるのです。大人が目を離した隙に、子どもの事故が起きてしまうかもしれないことを心に留めておきたいものです。
まとめ
・入浴中に幼児の膣の中にカプセルが入り摘出手術を行った
・カプセル入りスポンジ玩具で遊ぶときは大人が目を離さないようにする
・遊ぶ前後には玩具の数を確認する
・当該商品は口や鼻に入ると窒息の危険性がある