殺虫剤・制汗剤・消臭剤などを使用する際に、スプレー缶タイプのものを使っている方も多いのではないでしょうか。
スプレー缶は処分方法を誤ると、重大な事故につながる恐れがあります。事故防止・ケガ防止のためにも、スプレー缶の安全な処分方法について理解を深めましょう。
スプレー缶の処分は決められた方法を守る
スプレー缶の捨て方について考えたことはありますか?生ごみと同じ感覚で気軽に捨てたり、誤った捨て方をしたりしたことが原因で、ゴミ収集車が火災を起こした事例や、ゴミ焼却場で爆発事故が起こる事例が報告されています。また、誤った捨て方をすることによって、ゴミ収集に携わる職員の方がケガをする事故も発生しています。
2018年に札幌市で起こったガス爆発火災事故は、スプレー缶を誤った方法で処分しようとしたことによって発生し、50名以上の方が負傷しています。
このようにスプレー缶は正しい方法で処分しないと、大きな事故を招きます。安易な気持ちで行うのではなく、決められた方法をきちんと守り、安全に配慮した形で行うことを徹底しましょう。
スプレー缶の処分方法
スプレー缶の処分方法は大きくわけて2種類あります。中身を使い切りガス抜きを行ったうえで穴を開けてゴミに出す方法と、中身を使い切りガス抜きを行ったら穴を開けずにゴミに出す方法です。
どちらの方法でゴミに出すべきか、自治体によって変わります。お住いの自治体がどちらの方法を採用しているのか、自治体のホームページや、ゴミの捨て方について記載している広報誌などで必ず確認してください。
穴をあけて処分する方法
・中身を完全に使い切る(中身が残っている場合は、チャプチャプ・シャカシャカといった音がします)
・火器のない風通しのよい屋外でガス抜きを行う(付属のガス抜きキャップを使用してください。ガス抜きキャップがない場合は、完全にガスが出なくなるまでスプレーボタンを押します)
・中身がないこと、ガスを抜いたことをしっかり確認し、火器のない風通しのよい屋外で、スプレー缶に穴を開ける(スプレー缶に穴を開けるための工具がホームセンターや100円均一で販売されています。安全に穴をあけるためにも、これらの工具を使いましょう)
・自治体が定めているゴミの収集日に、自治体が定めた方法で出す(自治体によって「専用の袋で出す」「中身が見えるように出す」「スプレー缶のみをまとめて出す」など、様々なルールがあります。お住いの自治体の方法を確認したうえでゴミに出してください)
穴をあけずに処分する方法
・中身を完全に使い切る(中身が残っている場合は、チャプチャプ・シャカシャカといった音がします)
・火器のない風通しのよい屋外でガス抜きを行う(付属のガス抜きキャップを使用してください。ガス抜きキャップがない場合は、完全にガスが出なくなるまでスプレーボタンを押します)
・中身がないこと、ガスを抜いたことをしっかり確認したら、穴を開けずに自治体が定めるゴミの収集日に、自治体が定めた方法で出す(自治体によって「専用の袋で出す」「中身が見えるように出す」「スプレー缶のみをまとめて出す」など、様々なルールがあります。お住いの自治体の方法を確認したうえでゴミに出してください)
中身を使い切れない場合は?
スプレー缶をゴミに出す際は中身を使い切ることが求められますが、場合によっては使い切れないこともあるでしょう。スプレー缶内に残っている薬剤の量が少量の場合は、近くに火器がないことを確認したうえで、風通しの良い屋外でスプレーボタン押して中身を出し切ります。このとき、薬剤が周囲に拡散しないように、新聞紙などに向かってスプレーするようにしましょう。残った中身を排出するための方法がパッケージ等に記されている場合は、その方法に従ってください。
薬剤が大量に残っている場合は、自治体に連絡をして処分方法について指示を受けてください。無理に使い切ろうとしたり、中身が入ったままゴミに出したりすると、事故や火災を起こす恐れがあります。必ず問い合わせるようにしましょう。
まとめ
・スプレー缶は適切な方法で処分をしないと、事故や火災を招く恐れがある
・処分方法は中身を使い切ったうえで穴を開ける方法と、中身を使い切ったうえで穴をあけずにゴミに出す方法がある
・自治体によってどちらの方法を採用しているのか異なるため、問い合わせたうえで処分する
・中身を使い切れない場合は、自治体に連絡をして指示をあおぐ
参考サイト
◆郡山市「ガス・スプレー缶は正しく捨てましょう!」
◆東京都中央区「スプレー缶、カセットコンロ用ガスボンベは資源です!