冬が本格化するこの時期、通勤や冬のレジャーで雪道を走行する機会が増えるでしょう。そこで気を付けたいのはスリップ事故です。首相官邸のホームページでは、車で雪道を走行する時は事故に注意するように警鐘を鳴らしています。
冬の道路で起こりやすいスリップ事故を防止し、ケガや命の危険から身を守るためにも、スリップ事故が発生しやすい条件やタイミングについて、この機会に学んでおきましょう。
スリップ事故が発生する仕組み
スリップとは、ブレーキ操作やハンドル操作が思うようにきかなくなり、タイヤが路面を滑ってしまう現象のことです。スリップ現象の発生には水や雪が関係しています。道路に雪や水たまりがあると、タイヤと路面の間に膜ができてしまい、晴れた日の路面と比較すると摩擦が少ない状態になります。そうすると車の操作が思うようにきかなくなり、普段と同じような感覚でブレーキ操作やハンドル操作をしていると、タイヤが路面を滑ってしまうのです。
また雪や雨が残っている道路では、路面が凍ってしまう“アイスバーン現象”が発生しやすくなります。凍った路面の上はとても滑りやすく、ブレーキやハンドル操作がきかなくなるので注意しましょう。
スリップ事故が起こりやすいタイミングとは
スリップ事故はブレーキやハンドル操作がきかなくなることによって起こる、とても怖い事故です。「車が操作できない」と感じた時には既に遅いと言えるでしょう。事故防止のためには、スリップ事故が発生しやすいタイミングについて知識をつけ、安全な運転を心がける必要があります。
スリップ事故が起こりやすいタイミング4つ
①交差点
交差点は車の発進・停止が繰り返されることによって雪が踏み固められ、アイスバーン現象が発生しやすくなっています。そのため、見た目では路面の状態が悪いように感じられなくても、細心の注意が必要です。交差点でのスリップ事故は、「信号待ちをしている車に追突する」「右左折時にスリップしてコントロールを失う」といった形で起こりやすいです。交差点に進入する時は早めにブレーキを踏み、十分に減速すると事故防止につながります。
②カーブ走行中
カーブ走行中の車には遠心力が働いています。そのような状況に加え、路面が雨や雪で滑りやすくなっていると、スリップをする可能性が非常に高まります。普段と同じ感覚でカーブを走行するのではなく、カーブに進入する時は手前から大幅に減速し、事故防止に努めましょう。
③橋・トンネルの出入り口
橋は路面の熱が上下左右から逃げてしまい、他の道路と比較すると路面が凍りやすい状況にあります。ですから、他の道路は凍っていなくても橋の上だけ凍っているというケースが考えられます。日陰になりやすいトンネルの出入り口もまた、凍りやすいスポットと言えるでしょう。橋やトンネルの出入り口を走行するときは、必ず速度を落とすようにしましょう。
④早朝・夜間の走行
早朝や夜間は、昼間と比較すると気温が大幅に低下しています。早朝・夜間の路面は凍結しやすく、スリップ事故が発生する条件が整っています。事故防止のためにも、より一層慎重な運転を心がけましょう。
まとめ
・タイヤが路面を滑ってしまうスリップ現象には、雨や雪が関係している
・スリップ事故は「交差点」「カーブ走行時」「橋やトンネルの出入り口」「早朝・夜間走行中」に起こりやすい
・スリップ事故を防止するためには、「速度を落とす」「慎重な運転を心がける」ことが重要である
参考サイト
◆首相官邸:「雪害では、どのような災害が起こるのか」
◆富山県、防災・危機管理課:「雨の日、雪の日、氷の日。スリップ事故はなぜ起こる?」
◆JAF「知っておきたい雪道の危険ポイントはどこですか?」