食中毒は「頻発する季節」というものはありますが、一年を通して起こる可能性があるものです。
さまざまな予防策を講じることでリスクを下げることはできるものの、発症した場合の対策を考えておくことも重要です。
食中毒かな? と感じたら
「なんとなくお腹の調子がおかしい」
「通常の風邪とは違う気がする」
「みんなでBBQをした。特定の食材を食べた人だけ全員調子を崩したが、ほかの人は大丈夫だった」
というような場合は、食中毒を疑った方がよいでしょう。
このような場合、自己判断で薬を飲むことは避けましょう。症状が出始めた段階ならば整腸剤は飲んでもよいとされていますが、下痢止めを飲むと逆効果になることがあります。下痢はとてもつらい症状ですが、「異物を体の外に押し出そう」とする防衛反応によるものです。これを薬でせき止めると、症状の解消が遅れます。
また、水分は意識してとるようにしてください。
食中毒になると、嘔吐や下痢によって体から大量の水分が失われます。これを原因とした脱水症状が起こる可能性もあるため、意識して水分を摂取するようにします。また、そのときには、冷たい水やジュースなどは避け、白湯などを飲むとよいでしょう。
「これが原因かも」と思われる食品のパッケージや食品自体が残っているのならば、保管しておいてください。また、お店で出されたものが原因かもと疑われる場合は、その店のレシートをとっておきます。少し嫌悪感はあるかもしれませんが、嘔吐した場合はその嘔吐物をとっておくと、医師の診断の手助けになります。
何よりも、すぐに病院にかかることが大切です。
感染源とならないために
食中毒の怖いところは、「症状を患っている人が、感染源になることもある」ということです。
そのため、看護をする家族にもさまざまな対応が求められます。
嘔吐物を処理する際は、使い捨てマスクや手袋、エプロンを使い、素手で触らないようにします。また、よく手洗いをしましょう。
食中毒が疑われる人は調理を避け、またその人が使った食器などは洗浄後に熱湯消毒を行います。
洗濯物も家族とは分けます。お風呂も最後に入るようにしてください。残り湯を使っての洗濯も厳禁です。
まとめ
・食中毒が疑われる場合、不用意に薬を飲まない。特に下痢止めはよくない
・原因と思われる食品などは保管し、医師のところに持っていく
・水分は多めにとる
・感染源とならないように、家族との接触を避けることが望ましい