日々火災が起こるたびに駆け付けて消し止めていく消防職員たちの足となり、消火を行う為の重要な道具となる消防車。
どんな装置で水を放水して火を消し止めているのかという事や操作方法に関して知っている人は意外に少ないと思います。
消防車の仕組みと操作方法に関して私が実際に操作した経験を交えながら説明します。
消防車の種類
消防ポンプ車からはしご車まで
一言に消防車と言っても様々な種類が存在します。
大きく分けて放水によって消火活動を行う消防ポンプ車、はしごを繰り出して人命救助を行うはしご車に分けられ、他に化学消火剤を用いる化学消防車や救難用資材を満載した救助工作車等が存在します。
今回は消防ポンプ車を代表的な消防車として紹介していきます。
消防車の放水システムとは
ポンプで水をすくい上げて放水を行う
消防車には自前の貯水タンクを備えるタイプと、出動先の貯水槽や消火栓から水を得て放水するタイプの二種類が存在しますが、どちらも基本的な構造は一緒です。
エンジンの力をポンプに用いる事で強力な放水を行う事を可能としています。
貯水タンクを備えているタイプは1500Lの水を積載できるタイプが主流です。
放水する力は「動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令」によって定められていて、最も強力なもので1.4MPaという高圧放水が可能で、人間が簡単に吹き飛ばされてしまう程の力があります。
ホースを実際に持って放水した事がありますが、大人2人でしっかり抱え込まないと暴れるホースに引っ張られてしまいそうになる程でした。
消防ポンプ車の操作方法
エンジンはつけたまま操作を行う
消防ポンプ車の操作方法は実際に扱ってみると意外に簡単だと思えるかも知れません。
但し、水を放水する為にポンプに掛かる圧力は非常に強く危険なので、ホースを跨ぐといった事はしない様にして下さい。
消防車を止めて、車輪を輪留めで固定したら、ホースを出来るだけまっすぐに伸ばす事です。
水を貯水槽からくみ取る側と放水する側それぞれに伸ばしてあげましょう。
ねじれ等も直しなおして伸ばせたら、吸水側の口と放水側を間違えない様に表記をよく読みながら接続します。吸水口は水の中に入れておきましょう。
しっかり固定された事を確認したら、ギアがニュートラルになぅっている事とサイドブレーキがしっかり上がっている事を確認し、ポンプスイッチ(PTOスイッチ)をONにしてからエンジンを入れましょう。
そして、吸水コックを開き全てのドレンバルブが閉まっている事を確認してから、ポンプの作動スイッチを入れましょう。エンジンの力でポンプが動き出し、水をくみ上げ始めます。
充分な水を吸い上げると、真空状態を示すランプが消灯して、水圧メーターが一定の圧力を示し放水準備が完了した事を示します。
放水を行う時は二人以上でしっかりホースを保持し、消防車のポンプを担当する人は準備がしっかり整った事を確認してから放水コックを開いてください。
コックを開くと、ホースの先端にも弁がついていない限り放水が始まります。
出力の調整はポンプ側で行うので、ホースで水をかける側との声を掛けあって連携を行う様にしましょう。
勝手に勢いを増せば、ホースが暴れ出してケガ人が出る可能性もあります。
消防車の操作で一番重要なのは互いに何をするか伝え合う事だと思います。
無事に火を消し止められたら、逆の手順で道具をしまっていきますが、実際に操作してみると、順序させしっかり思い出せれば簡単に操作する事が出来ます。
消防団に所属すれば実際に触る事もあるでしょうが、興味があれば総務省消防庁のサイトに詳しい操法が掲載されているので調べてみましょう。
生活の裏で活躍する消防車の仕組みを知って貰えたのなら幸いです。
まとめ
・消防車には様々な種類が存在する
・消防ポンプ車は水をポンプですくい上げながら消火を行う
・消防車の操作方法は複数の人で連携を取る事が大切
参考サイト
◆消防操法の基準 総務省消防庁
◆動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令