「内職商法」とは、「だれでも簡単にできる在宅ワークがある。これを行うだけで、●円以上の収益に繋がる」などと案内するものです。一般的なSOHOとは異なり、この類の詐欺は、「仕事の前に機材が必要。▼円かかるが、すぐに取り戻せる」と謳ったり、「試験のための費用が必要」と言ったりしてきます。しかし実際には試験が非常に難しかったり、合格しても仕事があっせんされなかったり、納品をしてもケチをつけられてお金が振り込まれなかったり……という状態に陥ることになります。
このため、「もうからなかっただけでなく、買わされた機材のローンだけが残った」などのトラブルが起きるのです。
しかし、内職商法がもたらすデメリットはこれだけにとどまりません。
名簿が共有されてどんどん電話がかかってくる

いったん内職商法に問い合わせを行うと、たとえそれが「問い合わせ」の段階にすぎなかったとしても、あっという間に電話番号が業者の間で知れ渡ります。最初の「〇円かかるが、すぐに取り戻せる」と案内があった時点で、「それならばやりません。いりません」と断って電話を切ったとしても、すでに電話番号は相手に知られており、それが同じような詐欺集団の間で共有されるのです。
断ったとしてもこのような状態になるのですから、一度受けてしまった場合は推して知るべしです。しっかりと警戒ができるのであればよいのですが、内職商法のやり口は多種多様です。一つ目のやり方のときには断ることができても、二つ目のときには引っかかってしまう……ということもあり得ます。
名簿抹消を謳う電話

上記に関連して起きる可能性があるのが、「名簿に載せられた名前と電話番号を抹消してあげますから、…円払ってください」などの新しいサギです。また、「すでにリストに登録されているし、会員になったことになっている。退会のための金を支払え」といわれることもあります。
また、内職商法にだまされてしまった場合、家族間で大きな溝ができることもあります。内職商法にひっかかる人に多くは「家計を少しでも助けよう」として手を出しますが、その結果余計に家計が困窮してしまい、家族から責められることもあります。
まとめ
・内職商法は、お金を一時的に失うだけでは済まない
・名簿が共有され、どんどん電話がかかって来る
・名簿を抹消したり退会したりすることでお金がかかる、と迫って来る業者もいる
・家族間でももめやすい
・内職商法は、「手を出さない」が一番安全