消火器は、火事が起きた時の初期消火活動において、極めて有能な働きをするものです。
しかしこれを過信してはいけません。これによる消火には「限界」があるのです。
基本的な操作方法
まずは消火器の基本的な操作方法について見ていきましょう。
一般的な家庭で使われるのは、粉末タイプ、もしくは液体のタイプです。
火災がおきたら、
①安全栓を抜く
②ノズルを火元の方に向ける
③レバーを握って、消化液を噴出させる
④完全に火がおさまるまで噴出し続ける
という行動をとりましょう。
また、経年劣化した消火器は、サビや変形を生じる場合があります。こうなってしまった場合は、速やかに処分しましょう。このような物を使うと、逆に被害が大きくなる可能性があります。
限界について知りたい
消火器での消化には、実は「限界」があります。ひどい火災になってしまうと、これでは消し切ることができなくなるのです。
どれくらいをもって「限界」と判断するのかというと、「火の大きさ」です。
火災が起きてからしばらくして気付いた場合、炎の大きさが非常に大きくなっており、すでに天上に達していることもあります。
また、広い範囲(1平方メートル以上)にわたって火災が起こっている場合は、初期消火の限界を超えています。
このような状況になった場合、消火器での消火にこだわると極めて危険です。まずは自分の命を守ることを優先し、すみやかにその場を離れましょう。また、素早く119に電話し、助けを仰ぎます。絶対に、その場にとどまって消火をしようとしてはいけません。
初期消火が可能な時間は、その建物や、周りの状況によって異なります。
ただ、木造建築の場合を例にとれば、初期消火が可能となる時間的余裕は、わずか2分程度だと考えられています。天井部分に火が至るまでには、2分30秒もあれば十分だと言われているのです。
そのため、消火器を使った消火活動は、本当に、「火災に気づいた直後だけだ」と言えるでしょう。そして、2分という時間は、パニックを起こした人間にとっては本当に短いものです。
日ごろから消火活動の知識を身に着けておかなければなりません。
まとめ
・消火器は火元に向かって的確に噴射する
・日ごろから、サビや変形がないかのチェックを
・初期消火のときにしか使えない
・火が広がったのなら、無理に消火しようとしない
・初期消火が可能な時間は、木造建築であるのなら2分程度までが限界である
参考サイト
◆舞鶴市消防本部ホームページ「初期消火について」
◆匝瑳市横芝光町消防組合119「初期消火の限界」
◆防仁学:「ご家庭に消火器・消火グッズは常備していますか? フライパン発火体験談と火災予防・消火器考」