火災が起きた時に重要なのは、初期消火ができるかどうか?と、言うことになります。例えば、台所で揚げ物をしていた時に火災が起きた場合、直ぐに消化することができれば大事に至らなくて済みます。ですが、初期消火が間に合わなければ火事を起こしてしまうことに・・そんな初期消火に必要なのが、消火器なのです。
ですが、これまで一度も消火器を使ったことがない方も多いはず。そこで今回は、消火器について改めて学んでいきましょう、記事の最後では「消火器の使い方」のクイズを用意しているので、是非チャレンジしてみてくださいね。
消火器の使い方と注意点
消火器の使い方は至ってカンタンです。1:黄色いピンを抜く、2:ホースを火元に向ける、3:レバーを握る。この3ステップで、消火器から消化液が飛び出して火を消すことができます。ですが、実際に消火器を使うシーンでは、かなり焦っているのも事実です。最も重要なのは、「ホースを火元に向けてから、レバーを握ること」このことは、しっかり覚えておきましょう。
次に、消火器を使用する際の注意点についてです。消火器による消化の限界は、「炎が天井に達するまで」です。炎が天井に燃え移っている場合は、消火器での消化は断念して速やかに避難しましょう。また、何が燃えているかしっかり確認して、逃げ道も確保した上で消化を行うようにしてください。
消火器の種類・粉末消火器と強化液消火器の特徴
消火器にはさまざまな種類が存在します。その中で、代表的なのが「粉末消火器」と「強化液消火器」の2つです。
【粉末消火器】
放射時間目安:11秒~18秒、放射距離目安:3m~6m
特徴:素早く消化することが可能だが、浸透性がないので再燃する可能性がある。再燃防止には、さらに水をかけるなどの処置が必要。放射時間が比較的短い。狭い空間では粉末が充満して視界が悪くなる。
【強化液消火器】
放射時間目安:23秒~80秒、放射距離目安:3m~8m
特徴:冷却効果が高く、消化液がかかった部分は再燃しにくい。放射時間、放射距離が長い。浸透性があるので、木材などの火災には有効。
消火器は日常点検も重要
イザという時に、消火器がきちんと作動しなければ意味がありません。法律で定められた点検は専門業者などが実施しますが、個人で行う日常点検も非常に重要となっています。日常点検では、次の項目について点検するようにしましょう。
①安全ピンはきちんとササっているか。いたずら等で使われていないか確認
②容器本体、底部、ホース、ノズルなど各部に腐食・変形・損傷などがないか確認
③蓄圧式消火器の場合、圧力計の指針は緑色の部分を指しているか確認
④直射日光のあたる場所や湿気の多い場所に放置されていないか確認
消火器を使うまでの行動と消化活動の心得
消火器を使うまでには、数種類の行動を行わなくてはなりません。火災を発見したら「火事だー!!」と大声で、周囲に火災が起きていることを伝えます。これは、もしも大火災に発展した際に、逃げ遅れる人を無くすためでもあります。そして、近隣の人に消化や通報の強力を求めましょう。消火器を持ち運ぶ際に、ピンを抜いたまま運ぶのはNGです。ピンが抜けているとレバーを握れば、その場で消化液が噴出しますからアクシデントによって、火災現場に辿り着く前に消化液がなくなってしまうケースもあり得ます。消火器を持ち運ぶ際は、必ずピンを刺したまま運びましょう。
消火器での消火活動は、炎が天井に達するまでです。天井に燃え移った時点で消火活動を断念して、一早く避難しなければなりません。そのためにも、消火活動は逃げ道を確保して、逃げ道を背にして行うのが基本となります。
「消火器の使いかた」に挑戦してみよう
チェック1:一般の粉末消火器の放射時間で正しいのはどっち?
①約11秒~18秒
②約30秒~40秒
正解は「①約11秒~18秒」です。放射距離は3m~6mとなっています。消火器にはラベルが貼ってあり、白色は普通火災に利用可能、黄色は油火災に利用可能、青色は電気火災に利用が可能となっています。
チェック2:消火器を火災現場まで運ぶ際の行動は?
①直ぐに消化できるよう、ピンを抜いて運ぶ
②火災現場に着いてからピンを抜く
正解は「②火災現場に着いてからピンを抜く」です。早く消化したいとの気持ちはよく分かりますが、ピンを抜いて運ぶとアクシデントで消化液が噴出する可能性もあります。ピンは現場についてから抜くようにしましょう。
チェック3:消火器を使う時、次のどちらに向けて放射する?
①火元に向けて放射する
②炎に向けて放射する
正解は「①火元に向けて放射する」です。火元とは、炎が出ている元のことで、例えば床が燃えているなら「床が火元」ソファーが燃えているなら、ソファーが火元となります。煙を吸わないように姿勢を低くして、火元に向けて放射します。粉末消火器の場合は、一瞬で周りが見えなくなる場合もあるので、逃げ道を確認した上で放射しましょう。
チェック4:炎が天井に燃え移ってしまった。次の行動は?
①消化液に余裕があるので消化を継続する
②消火器をその場に放置して、直ぐに避難する
正解は「②消火器をその場に放置して、直ぐに避難する」です。消火器の消火剤が残っていても、新しい消火器が手元にあっても、天井に燃え移った時点で消火器では対応できない火災となっています。一気に火の手が広がるので、直ぐに避難してください。
チェック5:消火器を設置するならどっち?
①日あたりが良く、目につきやすい場所
②日陰で普段使っている通路
正解は「②日陰で普段使っている通路」です。①の、「目につきやすい場所」はいいのですが、日あたりが良いのは消火器にはよくありません。消火器は直射日光を避けて保管するのが望ましいです。②のケースでは、転倒しない工夫が必要となりますが、誰もが使える場所にあるのは望ましいこととなります。
まとめ
・消火器での消化活動は逃げ道を確認して行う
・天井に炎が燃え移ったらその時点で素早く非難する
・消火器の日常点検は重要
・粉末消火器の場合は周りが見えなくなるので消化時は要注意