「秋に起こりやすい病気~成人気管支喘息」については、すでに取り上げた通りです。
今回は、子どもに起きる「小児気管支喘息」について取り上げます。
小児気管支喘息とはどんなもの?
小児気管支喘息も成人気管支喘息も、喘息が起こるメカニズム自体は変わりありません。喉の気道がふさがれることで発作が起きるものであり、せきや喘鳴が起きます。また、場合によっては呼吸自体が難しくなることもあります。
しかし、小児気管支喘息と成人喘息には大きな違いがあります。
成人気管支喘息の場合は、原因が特定できない非アトピー型のものが多いという特徴があります。しかし小児気管支喘息の場合、特定のアレルゲンによって起こることが多いのです。このため、アレルゲンを特定することができれば、予防できる確率が高くなります。よくあるアレルゲンとしては、ハウスダストや花粉などが挙げられます。
明るいニュースなのですが、小児気管支喘息の場合、成長とともに症状が収まっていく場合が非常に高いといわれています。有症率は、高校生では8.3パーセント、中学生では9.6パーセント、小学校低学年では13パーセントであるため、成長とともに、有症率が低くなっていることもわかります。
小児気管支喘息を患っている人のうちの7割程度は、成長すると症状が落ち着くとされています。また、成人気管支喘息のうち、小児気管支喘息に悩まされていた人の割合はわずか3パーセント程度だとされています。
子どもの喘息、注意したいのは?
明るい要素もある小児気管支喘息ですが、問題もあります。子ども、特に低年齢の子どもは、自分の症状を的確に大人に伝える術をしりません。また、風邪だと思っていたら喘息だったということもありえます。子どもの喘息は検査が難しく、ある程度推定できるようになるのも5~6歳くらいからだと言われています。
秋は喘息が起こりやすい時期ですが、「喘息かもしれない」と思ったのであれば、症状を正確に覚えておいて、早めに医師にかかるようにしてください。早期発見が早期治療に繋がるのは、この病気でも一緒です。
また、この病気だと診断されたのであれば、乾燥しやすくなってくる秋口から適度な加湿を心がけていきたいものです。
まとめ
・小児の場合も成人の場合も、喘息が起こるメカニズムは同じ
・ただし、子どもの場合はアレルギー型が多い
・成長とともに収まっていくことも多い
・子どもは症状を訴えることが苦手で、検査もある程度の年齢にならないと難しい
・早期発見と早期治療が求められる