本日8月15日は72回目の終戦記念日です。
72回目を迎える今年も、日本武道館における「全国戦没者追悼式」をはじめ、各地で「戦没者を追悼し平和を祈念する」行事が行われます。
日本武道館における式典では毎年、天皇皇后両陛下の御臨席を賜り、お言葉を頂いております。
平和を願う一方で先週、時事通信社の報道によれば「北朝鮮、グァムへの攻撃検討=米爆撃機の基地」とあり、日本を取巻く安全保障環境が気になるところであります。
終戦記念日にあたり、日本を取巻く情勢、特に北朝鮮を中心に今一度考えてみました。
北朝鮮に関する最近の報道
北朝鮮に関する報道は、この一週間でも様々なものがありました。
①核弾頭小型化
②「火星12型」を使用して、グァムへの攻撃作戦を検討
③ASEAN外相会議で新たな制裁決議の厳格な履行について一致
④核・ミサイルの開発放棄には応じない
等が挙げられます。
直接・間接的な報道から推察される事は、「北朝鮮は一貫して強硬姿勢を崩していない」事です。
北朝鮮がグァムを攻撃する理由とは?
では北朝鮮がグァムを攻撃対象とする理由は何なのでしょうか。
先の報道にも書かれている様に、グァムは米軍爆撃機の拠点となっており、米軍のアジア太平洋地域における戦略拠点に位置付けられているからであります。
また日本にとっても決して他人事ではありません。
日本の上空を通過していくだけではなく、グァムは重要な戦略拠点となっております。
日本が侵略を受けた場合、自衛隊が守りますが、現在欠けている能力は「核戦力」と「策源地攻撃能力」の二つであります。
敵からの核弾頭搭載ミサイル攻撃に対してはPAC-3とSM-3で対処しますが、数に限りがあり、相手国の既存ミサイルによる多数同時攻撃を受けた場合、全てに対応出来るかは不明な部分があります。
またミサイル技術も進化してきますので、対応能力も常に向上させていく必要があります。
この時に確実性があり効果的な方法が策源地攻撃になります。
政府見解として策源地攻撃は認められているものの、その能力を保有していないという事が現状です。
もちろん日米安全保障条約によって、アメリカの核の傘下にあり、策源地攻撃を手助けしてくれる事は期待出来ます。
この時、米軍のストライク・フォースの発進基地の一つがグァムとなります。
戦闘の様相によっては、日本の防衛上で在日米軍基地よりもグァムの方が重要となる局面が出てくる事があります。
日本の安全保障にとって、北朝鮮によるグァム攻撃は他人事ではないのです。
北朝鮮が強硬姿勢を貫く理由とは
では、北朝鮮が核やミサイル開発を続け、強硬な外交姿勢を貫く理由とは何なのでしょうか。
以前は旧ソ連製のミサイルを改良して輸出する事によって外貨を獲得しておりました。
近年における最も大きな理由は、「現政権(体制)の存続」が考えられます。
イラクのサダム政権の様に他国の介入を受けて崩壊する前に、NPT(核拡散防止条約)に加盟せず、核兵器保有の既成事実を作り、暗黙の裡に黙認させてしまったインドと同様の体制を狙っているものと考えられます。
諸外国に対して、核兵器という武力を後ろ盾とした発言力を得るまで北朝鮮の強硬姿勢は変化しないものと推察されます。
日本の果たすべき役割
先の国連安保理決議で北朝鮮に対する制裁決議はされたものの、対応に関して中・露とアメリカの温度差は開いたままでありました。
日本は、拉致被害者問題も抱えているなか複雑な立場である事に変わりはないものの、東アジアの主要国家として、日本にしか出来ない外交政策があるはずです。
国として、凛とした態度で臨むことが必要です。
8月15日の終戦記念日を機に、今一度日本国民として、国内はもとよりアジア太平洋地域における日本、世界の中の日本の役割りについて考えてみる良い機会ではないでしょうか。
まとめ
・平成29年の8月15日は72回目の終戦記念日
・北朝鮮に関する動きが活発化してきている
・北朝鮮のグァムに対する攻撃は日本の安全保障上でも大きな問題である
・北朝鮮の強硬姿勢は滅ぼされる前に核兵力保有の既成事実を持つ事にある
・終戦記念日は一人一人が日本の役割りについて考える一つの機会である