2017年9月ハリケーン「イルマ」が中南米に大きな被害を与えております。
2016年は多くの台風が日本に上陸して、岩手県岩泉町などで多大な被害を受けました。
特に台風10号は通常では起こらない動きをしながら東北各県と北海道に襲い掛かりましたが、本来の台風はどの様な特性を持っているのかを紹介致します。
台風の一般的な動き
2016年8月末に上陸した台風10号はブーメランの様に行ったり来たりと迷走しましたが、本来の動き方とは全く違います。
2017年7月に発生した台風5号も日本の南東海上を迷走した後に日本に上陸しました。
台風は机の上で回しているコマのようなもので自分の力で動く事は殆ど出来ず、主に上空で吹く強い風に流されて動きます。
気圧が高い空気の回りでは時計回り(右回り)の風が吹いており、夏の終わりから秋にかけては太平洋高気圧の縁辺部を右回りに沿って動く事が多くなります。
太平洋高気圧は気象庁の発表している上層天気図で500hPaの気圧を示す図を確認すると確認し易いです。
台風による雨
台風によって降る雨は台風本体によるもの以外にもあります。
台風を含めた低気圧は高気圧と反対に反時計回り(左回り)の風が吹き、台風の進路上にある秋雨前線に暖かく湿った空気が流れ込みます。そこから発生する雨雲で台風が上陸する前から大雨が降る場合があるのです。
特に風下にあたる方向へ山を抱えている地域は雨雲が発達し易いので注意しましょう。
高潮の影響
台風は強力な低気圧の塊で、中心付近は更に気圧が低くなっています。
海上では気圧が1hPa下がると約1cm海水面が上昇すると言われており、台風のように強い低気圧が存在すると数十cmも海面が上昇する事になります。
この状態を高潮と呼びますが、満潮の時間帯と重なる事で予想以上に大きな水位上昇を引き起こし、伊勢湾台風の時は名古屋市南部全域が水没するといった被害を引き起こしました。
台風による被害
台風による被害は風による被害と水によるものが予想され、どちらの被害も防いでいかなければなりません。
水による被害は大雨や高潮による浸水や濁流、土砂災害があります。
事前に台風対策の準備が必要ですね。
土嚢を積み上げて水に対する備えをする時もありますが、手間と力が必要な作業になります。
近年ではポリマー素材で作られた土嚢袋が販売されているので、体力に自信がない方でも土を使わず水を含ませるだけで簡単に設置出来ます。乾燥させれば繰り返し使えるという点も魅力的です。
土嚢は風に対する被害にも活躍します。例えばシャッター式の倉庫は隙間から風が入り込み思わぬ被害を受ける事があります。
シャッターの下部や隙間に土嚢を積み重ねる事により被害を軽減させる事が出来るのです。
強風に備えて隙間となっている箇所は埋める様に心がけましょう。
しかし、とても個人では対応出来そうにないと感じたら早めに避難するようにしましょう。
台風は毎年必ず発生する災害です。台風の特徴をしっかり押さえて、イザという時に備えましょう。
まとめ
・台風は高気圧の回りで吹く時計回りの風に流され、太平洋高気圧に沿ってやってくる
・台風本体以外にも秋雨前線に吹き込む風により発達する雨雲にも注意
・気圧変化で起こる高潮に注意
・風水害に備えて土嚢等を準備しよう