約2週間前の7月21日午前9時に発生、日本の南海上で迷走を続けながら発達していた台風5号がこの週末から日本列島に近づく事が予報されております。
今後の正確な動きが気になるところですが、直接やってくる前にも様々な影響が出てくるため、気を付けなければならない事についてまとめてみました。
台風5号の動向
発達しながら動きは遅く、進行方向は不安定
台風は暖かな海水からエネルギーを補給しながら発達致します。
このため、台風5号のように南洋上で迷走を続けると、更に発達してモンスター台風と呼ばれるような勢力の強い台風に発達する事が多くなります。
台風の動きが遅く迷走する理由は、台風そのものに移動する力が無いからなのです。
平らな場所で独楽(こま)を回すと、一点に停まったままであったり、狭い範囲で円軌道の動きであったり、まさに先週以来の台風5号の動きに似ていますね。
では、今後はどの様な針路で動くのでしょうか。
台風の進路、キーポイントは太平洋高気圧と偏西風
台風が移動するには基本的に外部からの力である風の力が必要です。
日本付近で台風を動かす風は大きく二つあり、「太平洋高気圧の縁辺部を時計方向に回る風」と偏西風になります。
特に初夏から秋にかけての季節は太平洋高気圧が台風の動きに大きな影響を与えます。
太平洋高気圧は気象庁が発表している「高層天気図、500hp」を見ていただくと、5,880mの等高度線で概ね勢力を知る事が出来ます。
「3日の高層天気図」を見ますと、中心部は日本南東海上にあり、そこから張り出し部分が紀伊半島南端から四国を通って九州北部に達し日本海で一つのかたまりを作っています。
この太平洋高気圧にブロックされながら今後はユックリと西に向かいながら、その後に北上する事が予想されます。
但し今後太平洋高気圧が勢力を弱めれば、現在予報されている針路よりも早い時期に北上を始めるかも知れません。
また過去には太平洋高気圧のくびれた部分を通過したこともあり、週末から来週にかけては、夏休みを事故無く過ごすためにも最新の予報に注意を払う必要がありますね。
台風による影響
接近前の間接的影響にも気を付けよう
では今回の台風は日本に対して、どの様な影響が予想されるのでしょうか。
台風の位置が離れているからといっても安心はできません。
①高波に注意
天気が良ければ、この暑さの中、海水浴やマリンスポーツに出掛けられる人も多いでしょう。
台風が日本近海にあると、海のうねりは当然、大きくなってきます。
多少波が大きくても「この位だったら安心」と油断は禁物です。
波の大きさは、通常100波に1波は約1.5倍、1000波に1波は約2倍の大きさの波がやって来ると言われております。
突然の波にさらわれない様に気を付ける事が大切ですね。
②接近前の大雨に注意
台風本体の暴風雨に注意するのは当然ですが、台風の接近前にも大雨に注意する必要があります。
台風は反時計回りに回っている巨大な渦です。
このため、接近前にも南の暖かく湿った空気を日本列島に送り込んできます。
この暖かく湿った空気の流入によって、日本の天気も不安定な状態になり、各地にゲリラ豪雨を降らせたり、前線を刺激して一部の地域に集中豪雨を起こす事があります。
直接的な影響は、読者皆様も十分承知されていると思いますので。近付く前には対策をしておいて下さい。
この週末以降に接近が予想されている台風5号。最新の情報を入手して、楽しみながらも安全を確保した時間をお過ごし下さいね。
まとめ
・台風は暖かな南海上で発達する
・台風5号の動きは予測が難しい
・台風は直接的影響だけでなく、間接的影響にも注意しよう