新型コロナウイルスが流行していますが、その症状の一つが発熱です。感染拡大防止のためにも「体調に異変を感じた時は熱をはかる」「こまめに熱を測って体調管理に努めている」という方が増えてきています。
熱を測る時に使用する体温計は、今や家庭に必須の道具です。今回は体温計に着目し、使い方やお手入れ方法についてお伝えします。
体温計の種類

ドラッグストアなどで手軽に購入できる体温計はデジタル体温計と呼ばれるもので、電子回路によって体温を測定し、測定結果が液晶画面に数字で表示されます。
デジタル体温計は用途によってさまざまな種類があります。一般的なものはわきの下に挟んで使用するものです。他にも耳の中に入れて体温測定を行う「耳式体温計」、赤外線センサーを用いて肌に直接触れずに測定する「非接触式体温計」、小数点第二桁まで測定でき女性の生理周期管理に適している「基礎体温計」などがあります。
機能も様々で、10秒程度で測定できるもの、液晶画面が大きいもの、乳幼児でも安心して使用できるように先端が柔らかいものなどがあります。
体温計は使いやすく家族構成に適したものを準備しておくとよいでしょう。例えば乳幼児がいる家庭では乳幼児でも安心して使えるものや測定時間が短いもの、高齢者がいる家庭では画面表示が見やすいものや音が大きいものなどがおすすめです。
体温計の使い方
わきの下で測定する体温計
体温計のセンサー部分をわきの中央部分にあて、わきを閉めてしっかり挟みます。イメージとしてはわきの中央部分に向けて下から上へ差し込む感覚です。上から差し込む、横から差し込むといった方法は正確に測定できないため、推奨されていません。測定中は腕を軽く押さえて体温計がわきに密着する状態を保ち、体は動かさないようにします。
汗をかいている状態では正確な測定ができないため、ふき取ってから測定しましょう。
耳式体温計の使い方
体温計のスイッチを入れスタンバイ状態になった後、検温部分を耳の穴に入れます。この時、センサーが鼓膜の方向を向くように挿入するのがコツです。耳を軽く後方にひっぱると、測定しやすくなるようです。子どもの体温を測定する場合は子どもの頭が動かないようにします。
耳式体温計は耳の穴の中が汚れていると正確な測定ができないようです。使用前に綿棒などで耳垢を取り除いておきましょう。
舌の付け根で測定する体温計

体温計のセンサー部分を舌の裏側にある付け根部分にあてます。そのまま口を閉じ、本体を手で支えながら測定が終わるのを静かに待ちます。
体温測定をめぐるお役立ち情報
体温は食後・運動後・入浴後などに変化します。これらの行動を行った後は、30分以上の時間をあけてから測定するようにしてください。
体調管理のためにも体温は毎日同じ時間に測定し、メモしておくようにします。そうすることにより平熱や行動パターンによる体温の変化を知ることができます。体調不良が起こった際は体温変化がいつごろから起こったのかを知ることにもつながります。
筆者が高齢者と暮らしている時の経験談ですが、体温計のピピピッという音が聞こえず、体温測定が終わったことに気が付かないという事態が度々ありました。また、子どもの場合は測定中に動いて体温計がずれてしまうことがあります。正確な測定を行うためにも、体温を測り終えるまで見守ってあげるようにしましょう。
体温計のお手入れ方法
体温計を使用している時に、皮膚の汚れやウイルスなどが付着しているのではないかと気になった経験はありませんか?体温計を清潔に保つためには、お手入れをする必要があります。
オムロンヘルスケアのサイトでは、中性洗剤をしみこませて固く絞った布で汚れをふき取った後、からぶきをする方法が紹介されています。また、表示画面以外の場所(検温部分)は、アルコールで消毒することができます。水洗い可能な防水タイプの製品は、流水で洗ってお手入れをすることも可能です。説明書をよく読み、日ごろからお手入れをするようにしましょう。
まとめ
・体温計は家族構成などを考慮し、使いやすいものをそろえる
・正しい測定法を守ることは正確な測定につながる
・平熱や行動パターンによる体温変化を把握しておこう
・使いっぱなしにせず、お手入れも行う
参考サイト
◆オムロンヘルスケア「体温計 正しい使い方(正しい体温の測り方)」
◆オムロンヘルスケア「体温計のお手入れ方法」
◆テルモ「体温計」