卵には豊富な栄養素が含まれているので、健康維持のためにも日常的に取り入れたいところ。しかし卵の取り扱い方によっては、サルモネラ菌といった菌を増殖させて食中毒が起きることがあり大変危険です。栄養価が高いということは、細菌が増える環境が整っているとも言えるのです。身近な食品には危険はないと油断している人が多いので、知らず知らずのうちに食中毒が起こるリスクを高めているかもしれませんよ。
もし幼い子どもや高齢者がサルモネラ菌による食中毒になると、下痢や嘔吐だけではなく、意識障害や痙攣、脱水症状など重症化する場合があります。安全に卵を食べるためにも、取り扱い方について知ることが大切です。
今回は、意外と知られていない卵の取り扱い方についてご説明いたします。
サルモネラ菌による食中毒とは

卵に含まれることがあるサルモネラ菌は、家畜の腸管内で保菌されています。人がサルモネラ菌による食中毒になると、8~48時間の潜伏期間を経て嘔吐します。その後、腹痛や下痢、38℃以上の発熱などの症状が出るのです。サルモネラ菌の食中毒は、急性胃腸炎のような症状が一般的です。
ただし、免疫力が低い乳幼児は意識障害や痙攣。高齢者は急性脱水症状など重症化しやすいので注意が必要です。
卵の安全な取り扱い方

栄養価が高い卵は、取扱い方を間違えると食中毒が起こる原因となります。安全に食べるためにも、卵を購入するときはヒビが入っていないものや、日付を確認して新鮮なものを選ぶようにしましょう。購入したものは、なるべく早く冷蔵庫に入れてくださいね。卵は10℃以下で保管する必要があるので、お店で購入した後、車の中に長時間置きっぱなしにしたり、室温が高い場所で保管しないように注意しましょう。
それから、卵は日付を確認し、期限内に消費することが必要です。期限が過ぎたものは口にしないのはもちろんのこと、期限内であっても生のまま食べても問題ないという保証はありません。購入したら、期限に関わらずすぐに消費しましょう。
次に、料理をする際の注意点を見ていきます。卵を割ったあとは、すぐに使うことがポイントです。卵を割ったまま室内で放っておくと、細菌が増殖しやすいので食中毒のリスクが高まります。必要な分量の卵を、使う瞬間に割ることを徹底しましょう。
もし、途中で料理を中断せざるを得ないときは一旦冷蔵庫に入れて、調理を再開するときは卵黄や白身が固くなるまで十分に加熱してください。加熱の目安は、75℃以上の熱湯に1分以上と言われています。
そして、調理時に使った器具はよく洗い、最後に熱湯消毒をすると安心ですよ。手洗いも忘れずに行いましょうね。
また、自家製のマヨネーズによる食中毒が過去に何件か起きています。マヨネーズ作りは生卵を使用するので、細菌が増殖しやすくなるのです。ひび割れがない新鮮な卵で調理し、可能な限り早く使い切りましょうね。
これは、生卵のまま食べるときも同様です。卵を割ったあとはすぐに食べましょう。加熱が不十分な卵料理を食べるときは、調理開始から2時間以内が目安です。もし料理が余っても、次の日に持ち越すのは控えます。
食中毒のリスクを回避するためにも、2歳以下の乳幼児や高齢者、妊婦、免疫力が低い人は十分に加熱した卵料理を食べるようにしましょう。
まとめ
・サルモネラ菌の食中毒は急性胃腸炎のような症状
・乳幼児や高齢者が感染すると重症化する恐れがある
・卵はひび割れがない清潔なものを選ぶ
・割ったあとはすぐに食べること
・加熱が不十分な卵料理は2時間以内に食べる
・自家製マヨネーズを作るときはより一層注意する