大雨警報や、大雨洪水警報などは聞きなれた言葉ですし、該当する範囲にあれば「危ないな!」と感じて、避難所などに避難することができます。では、時折見聞きする「竜巻警注意報」はどうでしょう。注意報を聞いても、避難しないといけないの?と、危険度の実感はありません。竜巻注意報が発表されたらどうすればいいのか、竜巻から身を守る方法はどんな方法なのかを解説します。
そもそも竜巻注意報とは!?
そもそも竜巻注意報がなぜ発表されるのか、を解説しておきましょう。竜巻注意報は、積乱雲の下で発生する竜巻やダウンバーストなどの、激しい突風に対して注意を呼びかけるために発表されています。そのほとんどが、雷注意報を補足する情報として発表されているのです。
竜巻の被害は実際に起きている
竜巻は発生から収束まで、数分から数十分と短時間で狭い範囲に集中して、甚大な被害をもたらします。移動スピードは速く、被害はあっという間に起きてしまいます。これまででも、建物が壊れたり車が横転したりする、竜巻による被害が起きています。また、竜巻はさまざまなモノを上空に巻き上げて、猛スピードでぶつかってきます。当たれば、大けが、もしくは即死レベルですから非常に危険です。
竜巻の前兆はある!?積乱雲が近づいたら危険
竜巻注意報の発表以外にも、竜巻を予測する前兆はあります。竜巻は積乱雲によって起こります。ですから、次のような現象が起きてくれば警戒が必要となります。
・真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる
・雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする
・ひやっとした冷たい風が吹き出す
・大粒の雨や「ひょう」が降り出す
特に「ひょう」が降ってくると、大きくて強い積乱雲が上空に存在していることとなるので、十分な警戒が必要となります。
竜巻注意報の有効時間は約1時間
竜巻注意報の有効時間は約1時間です。竜巻注意報は、「竜巻発生確度ナウキャスト」で、発生確度2が現れた地域に発表しています。また、竜巻の目撃情報が得られて、竜巻等が発生する恐れが高まったと気象庁が判断した場合にも、竜巻注意報が発表されます。
竜巻発生確度ナウキャストとは!?
竜巻注意報を発表する情報源である「竜巻発生確度ナウキャスト」とは、どんなものなのでしょう。「竜巻発生確度ナウキャスト」は、10km四方の領域ごとに竜巻等の発生しやすさの、解析結果を提供する情報です。竜巻注意報が発表されたら、「竜巻発生確度ナウキャスト」を見れば、竜巻等の発生する可能性が高まっている、地域や今後の変化を確認することができます。「竜巻発生確度ナウキャスト」では、実況と1時間先までの予測が表示できて、10分ごとに更新されています。
竜巻等に関連する気象情報は半日~1日前に公表されている
天気予報などはいつも見ているはずですが、竜巻等の情報が半日から1日前に公表されていることに、あまり気に留めていない方は多いでしょう。実は、気象庁は次のような早い段階で、数回に分けて注意を促しているのです。
・半日~1日程度前には 気象情報 で「竜巻などの激しい突風のおそれ」と、明記して注意を呼びかけている
・数時間前には 雷注意報 でも「竜巻」と明記して、特段の注意を呼びかけている
・直ぐに竜巻等が発生しやすい気象状況となった段階で「竜巻注意情報」を発表
今後は、気象情報に注意してみましょう。
竜巻から身を守るには
先にもお伝えしていますが、竜巻は発生から収束まで長くても数十分、短いと数分で終わってしまいます。ですから、実際に起きてから避難したのでは遅いのです。竜巻注意報が発表されたら、今すぐにでも竜巻が起きる可能性がありますから、直ぐに避難しましょう。
・高所からは早めに下に降りる
・空の状況に注意して、急に暗くなる、大粒の雨や「ひょう」が降ってきたら、頑丈な建物の中に避難する
・竜巻発生確度ナウキャストで発生予想地域を確認する
竜巻から身を守るには、早めに頑丈な建物の中に避難して、窓際には近づかないことです。竜巻注意報の有効時間は約1時間ですから、解除までは警戒を怠らないようにしましょう。
まとめ
・竜巻は積乱雲の下で起きる
・竜巻注意報は直ぐにでも竜巻が起きる可能性がある状況で発表される
・空の様子がおかしくなったら、頑丈な建物の中に避難する
・竜巻発生確度ナウキャストで状況を確認する