2017年の冬は1月からインフルエンザやノロウイルス流行で外出からお家に感染症を持ち帰ってしまわないか不安になりがちです。
感染症の予防には「マスク」「手洗い」「うがい」の3つの言葉が必ず使われますが、簡単と思えてなかなか守れていないのが「手洗い」です。
感染予防は応急救命でも大切な事ですが、日常から感染症に備える手洗いのオススメ方法を紹介します。
手洗いのポイント
マスクを付けたり、うがいを行う時は必ず手を使いますが、その手が感染症に汚染されていたら、折角のマスクとうがいの効果が減ってしまいます。
そこでしっかりと手を清潔に出来る洗い方が重要になりますので、いくつかのポイントをご紹介します。
まず、勿体ないと思ってしまうかもしれませんが、手を洗う時は水を流しっぱなしにしましょう。私も母に「勿体ない」と小言を言われた事がありますが、流水を用いる事で細菌や汚染物質の混入と滞留を防ぐことが出来ます。
サバイバル本などで川から水をくみ取る時は、流れのはやい所でくむようにと書かれているのも、同じ理由からでもあります。(川の水を飲む場合は沸騰させる等の殺菌処理は必須です)
そして、石鹸を用いて次のように洗いましょう。
1、手のひらを合わせて良く洗う
2、手の甲を伸ばすように洗う
3、指先・爪の間をよく洗う
4、指の間を充分に洗う
5、片方の指を反対の手のひらで包み込むようにしてねじり洗いをする。(5本全て両手とも)
6、手首を洗う。
7、水道の栓などは、手首か肘を使って止めればよりよい。
洗い終えたらハンカチなどで拭き取りますが、ペーパータオルが用意されている飲食店や病院では、遠慮せずに活用するようにしましょう。
可能であれば消毒用アルコールを吹きかけて、両手が乾燥するまで刷り込むとより良いです。
特に4番の指の間と6番の手首は洗い忘れが多いので注意しましょう。
私が、手術室の看護師をしていたころ、手術を始める前に手を無菌状態に近くするため、イソジンとブラシで指先から肘までゴシゴシと手のひらから甲のシワ、毛穴まで雑菌を取り除く様にして洗いました。
更にセンサー付きの流水機を用いて、手が触れない様にイソジンを指先から洗い流していたのです。
手洗いの雑学
手術室で勤務していたころ、手を洗い流した後に注意しなければいけないポイントがありました。
それは、手を下げて手術室に向かってはいけなかった事です。
指先から肘へ流れた水を指先に戻さないようにするための配慮でした。
細かい話になってしまいますが、指先から流れた水滴が肘からまた戻ってくるまでの間に付近の菌を連れてきてしまい再汚染する恐れがあると考えられるからです。
例え痒いところがあってもかけず、眼鏡のズレも直せない状態が手術終了まで続きます。
当然トイレも行けないのですが、私は最高13時間手術の介助を行った経験があります。
日常生活では、ここまでする必要はありませんが、基本的な考え方は医療従事者も一般でも変わりません。
手間はかかってしまいますが、感染の確率を効果的にさげる事ができます。
仕上げに市販されているアルコールスプレーをすり込めば更に良いのですが、人によっては手が荒れる可能性があるので要注意です。
私は手が荒れた経験はありませんが、肌が比較的弱い女性の方は特に注意が必要でしょう。
次回は、手洗いにも関係する消毒・殺菌・滅菌の言葉に関して説明していきます。
まとめ
・手洗いは流水を用いて、念入りに指先から手首まで洗う。
・アルコール消毒も行うとより良い
関連サイト
参考資料
厚生労働省科学特別研究事業「高齢者看護施設における感染管理のあり方に関する研究班」(平成17年3月)
第4章 平時の対策に関する指針 (2)介護・看護ケアと感染対策