箱根駅伝などでランナーの体温が急激に低下して走るのが困難になる症状は「偶発性低体温症 accidental hypothermia」、もしくは「一次性低体温症」と呼ばれます。
低体温症は他にも、飲酒や薬物・持病などによって症状が現れることがあり、その場合は要因を区別するために「二次性低体温症」と言われます。
このことから考えますと、日常生活において体温が低いことを低体温症と表現するのは、厳密に言えば的を射ていないのではないでしょうか。
今回は低体温症とは区別して、「日常的に体温が低い」という状態について、頭痛などの症状や原因、危険性、改善・治療方法などを簡単に解説致します。
低体温の症状
次のような状態が続いているなら、日常的に体温が低い状態かもしれません。
病気によって低体温になっていることも考えられますので、心配な方は病院で検査を受けましょう。
・頭痛がある。
・手足や指先、耳などが冷える。
・便秘になることが多い。
・寝起きが悪い。
・体がだるい。
・風邪をひきやすい。
・太りやすい(基礎代謝が落ちているかもしれません)。
低体温の原因
日常的な低体温の原因はいろいろあって特定するのが難しいですが、主な原因としては次に挙げたものが多いようです。
・運動不足や寝不足などによって新陳代謝が活発でない。
・湯舟に浸からないなど汗をかく機会が少ない。
・食べ過ぎや極端な少食、偏食など。
・ストレス。
・血行が滞るような衣類や下着。
・喫煙(ニコチンには毛細血管を収縮させる作用があるため)。
低体温の危険性
では日常生活で体温の低い状態が続くとどのような危険性があるのでしょうか。
ここではそれをみてみましよう。
・免疫力が低下して風邪やインフルエンザにかかりやすくなる。
・アレルギー症状がでる(花粉症や鼻炎など)。
・身体機能の低下。
・疲れやすくなる。
・肌艶や顔色が悪くなる。
低体温の改善・治療
低体温が気になる方は、まず継続的に体温を測ってみることをおすすめします。
朝起きて、あまり体を動かさないうちに測ってみましょう。
日常的な低体温は、生活習慣を見直すことで改善できる可能性がありますので、次に挙げたようなことを心がけてはいかがでしょうか。
なお病気が原因の低体温は、病院でその病気を治療することが改善の早道だと考えましょう。
・少しずつ運動をする機会を増やして、新陳代謝を上げてみましょう。
・朝昼晩の三食、栄養のバランスを考慮しながら適量を食べるようにしましょう。
・水分を適度に摂りましょう。
・体を締め付ける衣類を控えてみましょう。
・自分なりのストレス発散法を見つけてみましょう。
・喫煙している方はこの機会に禁煙をしてはいかがでしょうか。
まとめ
・日常的な低体温の症状としては、頭痛・手足や指先の冷えなどが考えられる
・日常的な低体温は、新陳代謝の低下・バランスの良くない食事・ストレスなどが原因になることが多い
・日常的な低体温の改善には、運動・適切な食事・ストレス発散などがあるが、病気が原因の場合は、病気の治療をしたほうが良い
参考URL
日本救急医学会 偶発性低体温症
医学博士安保徹氏の公式サイト
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