適応障害は、誰でも起こりうるものです。ストレスを感じると正常な方も、日常生活に影響をきたすことがあります。適応障害の場合は過剰に反応が起き、日常生活を送ることが困難になるのです。抗うつ症状や不安感等、表れる症状は様々です。勤務怠慢や暴飲暴食等の問題行動が表れることもあるでしょう。
適応障害の原因は明確です。原因を取り除くことで、症状は改善されていきます。今回は、適応障害の原因や症状等詳しくご紹介いたします。
適応障害とは
適応障害とは強いストレスにより心身のバランスが崩れ、日常生活に支障が生じることです。過剰な反応が起きてしまうので、社会生活に適応できなくなっている状態でしょう。適応障害の定義は、ストレスの原因が明確であることです。
例えば仕事関係でいうと、転職や異動、人間関係、仕事量、責任の重さ。学校関係では、入学や転校、クラス替え、受験の失敗、いじめ等があります。他にも離婚や結婚生活の問題、義理の両親との関係性、育児、引っ越し、経済的な問題、慢性疾患やがん治療というように環境の変化や特定の出来事によって発症することがあるのです。
また適応障害は、ネガティブな出来事によって発症するわけではありません。昇進や結婚、子どもが産まれたといった出来事は、一般的には喜ばしいことです。ですが、ポジティブな出来事がきっかけで適応障害になるケースもあるのです。
適応障害の症状は、ストレスを感じてから1~3か月以内で起きることが多いでしょう。
適応障害の症状は次の通りです。
・抗うつ気分
・不安感
・怒り、イライラ
・焦り
・手の震え
・自棄になる
・意欲の低下
・不眠
・頭痛
・めまい
・動悸
・腹痛
・倦怠感
・食欲不振
・疲れやすい
表れる症状は人それぞれです。突然大声をあげたり、泣き出すといった気分のムラがあることが多いでしょう。人によっては、適応障害の症状に伴い欠勤、欠席、遅刻、勤務怠慢、暴飲暴食、破壊衝動、喧嘩、無謀な運転、ギャンブル中毒等の問題行動を起こすことがあります。
適応障害は、原因となるストレスから離れている状態の時は症状が安定します。仮に仕事がストレスの原因である場合は、仕事が休みの日、もしくは休職中、退職後等は症状が軽くなるのです。
正常な方もストレスによって日常生活に影響をきたすことがありますが、適応障害の場合はそれ以上に過剰な反応が起きている状態です。
適応障害の症状を改善させるには、原因となるストレスを解消させることが必要です。原因が消失すると、症状は速やかに改善するからです。それができなければ慢性化してしまうことがあります。
適応障害の症状が表れたら
適応障害の症状が表れたら、早めに医師に相談しましょう。適応障害はうつ病予備軍と言われるように、悪化してうつ病になる可能性があるからです。他にもアルコール依存症や反社会性人格障害等の精神障害を引き起こすことも少なくありません。ちなみに、うつ病の症状は適応障害と似ていますが、原因となるストレスから離れても症状が緩和されません。ここが適応障害とうつ病の大きな違いとなります。
適応障害は早期治療することにより、早めの改善が見込めます。思い当たる症状がある場合は勇気をもって心療内科や精神科を受診しましょう。
まとめ
・適応障害はストレスによって心身のバランスが崩れて日常生活に支障が生じる状態
・適応障害はストレスの原因が明確
・ストレスを感じてから1~3か月以内で症状が表れる
・主な症状は抗うつ気分や不安感、イライラ等
・問題行動を起こすことがある
・原因となるストレスから離れている状態の時は症状が安定する
・適応障害はうつ病予備軍と言われる
・早期治療が大切
参考サイト
◆厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供] 適応障害
◆こころとからだの相談所 練馬駅前メンタルクリニック 適応障害
◆神楽坂こころのクリニック 意外とわからない適応障害とうつ病の違いについて