ご家庭によっては、乳幼児を大人用のベットに寝かせることがありますよね。授乳やミルク、オムツ交換や寝かしつけの時は、大人と同じベットの方がお世話をしやすいと感じるかもしれません。もしくは、祖父母の家に遊びに行った時は、大人用ベットに寝かせるという人もいるはず。
いずれにしても、乳幼児を大人用ベットに寝かせる時は、事故に注意しましょう。静かに寝ているから大丈夫だと油断してはいけません。場合によっては大人用ベットから転落して頭蓋骨骨折をしたり、窒息する危険性があるからです。
そこで今回は、大人用ベットによる乳幼児の事故の実態と事故対策について詳しくご紹介いたします。
大人用ベッドによる乳幼児の転落事故について

消費者庁によると、6歳以下の子どもがベッドから転落する事故が、平成22年12月から平成29年6月末までの期間に1120件報告されています。うち、647件が大人用のベッドからの転落事故でした。そして更に、87.2%にあたる564件が0~1歳の乳幼児の事故です。年齢別では0歳児が457件、1歳児が107件と圧倒的に0歳児の事故が多いでしょう。
次に、ベッドからの転落事故による受傷内容についてですが、564件のうち404件(71.6%)が頭部や顔の擦り傷、打撲でした。頭部や顔以外に怪我を負うケースは23件(4.1%)起きています。報告結果を見ると、ほとんどが頭部周辺に受傷していることが分かりますよね。
0~1歳児までの子どもは重心が頭部よりなので、頭から落ちやすいことが原因だと推測できます。
他にも大人用ベッドからの転落事故では、頭蓋骨を骨折したり、窒息して命を落とす事故も発生しています。頭蓋骨骨折は床に頭部をぶつけて起きただけではなく、ベッド周辺に置かれている家具や健康器具に頭をぶつけて骨折となりました。
窒息事故では、0歳児が寝返りをうった際、ベッドと壁の間に挟まれるかたちで転落し、窒息したとみられます。
子どもは寝ているときも活発に動くことが多いでしょう。静かに寝ていたはずが、次の瞬間別の場所に移動していることもしばしば。寝返りをうてない乳児でも足の力は強く、蹴って上に移動することもあります。
大人用のベッドで乳幼児を寝かせるときは、転落事故が起こらないように注意しましょう。
事故を防ぐ為の対策とは

ベッドからの転落事故を防ぐ為にも、満2歳になるまではベビーベッドに寝かせることをおすすめします。ベビーベッドに寝かせるときは、柵を上げることを忘れてはいけません。
大人用ベッドに子どもを寝かせるのであれば、部屋に子どもだけを残さないようにしましょう。大人が離れた隙に、事故は起こるからです。ベビーベッドがあるなら、大人用ベッドで寝かしつけた後、移動させるのも一つの方法です。
また、転落による窒息事故を防ぐためにも、ベッド周辺のすき間を無くし、柔らかいものを置かないようにしましょう。乳幼児はベッドと壁の間に転落したときや、寝返りをうった際に毛布や枕、クッションに顔が埋まり窒息することがあるからです。転落時には、毛布やクッションが衝撃緩和となることがありますが、巻き込んで転落したことで窒息するリスクが高まるので注意しましょう。1歳未満は主に鼻呼吸なので、鼻周辺がふさがれると窒息しやすくなります。
ちなみに、大人用ベッドのベッドガードについてですが、生後18ヶ月未満(1歳6ヶ月までの子ども)には使用してはいけません。平成29年には、ベッドとベッドガードに挟まれて0歳児が死亡する事故が2件起きています。製品を購入する際は、子どもの対象年齢なのか確認し、注意表示に従いましょう。
まとめ
・大人用ベッドからの転落事故のほとんどが0~1歳児によるもの
・頭周辺を受傷することが多い
・頭蓋骨骨折や窒息事故も起きている
・満2歳まではベビーベッドで寝かせた方がいい
・ベッド周辺のすき間を無くすこと、柔らかいものを置かないことで事故のリスクが下がる