「人は、新しい手口の犯罪が起きるようになったことで不安を感じるようになった」
「地域社会の連携がとれなくなったため、治安が悪くなったように思う人が多くなった」
ことが、統計で分かっています。
ただ、これ以外にもさまざまな理由が原因で「治安が悪くなった」と感じる人はいます。
また、「新しい手口」「人が不安を感じるもの」についても、統計からみていきましょう。
「新しい手口の犯罪」とは何か

「治安が悪くなった」と感じる人が多いのが、今の日本の状況です。「日本社会に対してどのような認識を持っているか」という質問において、この点を挙げる人が65パーセントを超えています。
非常に特徴的なのは、「人がもっとも不安を感じるのは、実はインターネット空間である」という特徴です。不安を感じる場所の1位に「インターネット空間」があげられ、これが61パーセントを超えています。犯罪に巻き込まれそうにも思える2位の「繁華街」を7パーセントも突き放しています。
また、インターネットを利用した犯罪に不安を感じる人がもっとも多く、60パーセントを超えています。ちなみに2位は、「振り込め詐欺など」です。
インターネットは、ここ30年ほどの間で急激に広がっていった技術です。平成30年では世帯普及率が85パーセントを超えていますが、平成9年の段階ではわずか6パーセント程度でした。
急激に広がっていったインターネットは、「新しい手口の犯罪」を呼び起こすきっかけともなったのです。
それ以外の感覚について

このインターネットの普及は、私たちに膨大な知識をもたらしました。昔とは文字通り桁が違うほどの情報量を得られるようになったのは間違いなく喜びですが、それらの情報には有害なものもあるため、これが治安の悪化につながっていると考える人も、全体の半分程度います。
また、現在は厳罰化・国民感情に添った判決をと考える向きも多いのですが、「罰が軽すぎるのが問題である」と見る見方もあります。
もちろん、治安の良し悪しは、個人の感覚にもよります。ただ、日本全体が「これからの犯罪」に対してどのように向き合っていくのかが問われているのかもしれません。
まとめ
・多くの人は、「新しい手口の犯罪が起きていること」に不安を感じている
・特にインターネット関係は不安が多い
・また、罰が軽いことや、情報が手に入りすぎてしまう事が原因とする見方もある
参考サイト
◆政府広報オンライン:「全国地域安全運動/安全安心なまちづくりの日」
◆内閣政府広報室:「「治安に関する世論調査」の概要」
◆総務省:「インターネットの普及率の推移」