振り込め詐欺に限ったことではありませんが、あらゆる詐欺には「詐欺にあいやすい人」がいます。
今回は、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺にあいやすい人の特徴を見ていきましょう。
60代以上の人が被害にあいやすい

振り込め詐欺に代表される特殊詐欺にあいやすいのは、お年をめした方です。
年齢層と性別で特殊詐欺の被害者層を分けた場合、60歳以上の人が圧倒的に被害にあいやすいという統計結果が出ています。少し古いデータではありますが、平成24年のデータでは、実に81パーセントの被害者が60歳以上の高齢者だったとされています。特に70代以上の人の場合は割合が多く、被害者全体の54.1パーセントと半数を超えています。
対して、59歳以下の人が被害にあったケースはわずか18.2パーセントにすぎません。
また、被害者となりやすいのは圧倒的に女性です。特殊詐欺の被害者の男女比は1:3程度であり、女性の方がターゲットとなりやすいことがわかっています。
なぜ人は騙されるのか

「振り込め詐欺」という言葉は、現在広く知られています。そのため、だまされた人のなかには、「振り込め詐欺自体については知っていたが、だまされてしまった」というケースも少なくありません。
「自分はだまされない」と考えている人は、つい警戒心も緩みがちです。「自分もだまされる可能性がある」と考える人は何事も疑ってかかりますが、「自分は大丈夫」と考えている人は自信の落とし穴に陥ってしまいかねません。
また、子どもたちがすでに手を離れて単身で暮らしている人の場合は、「相談する先」をぱっと思いつかないことも多いことでしょう。それに対して、相手は畳みかけるように不安をあおっていきます。また、親心・祖父母心につけこむかたちで話してくる人間も多く、だまされるリスクが高くなります。
また、人は年を重ねることで(個人差はありますが)、認知力の低下が起きてきます。これらは非常にゆっくりと徐々に進んでいくため、自分自身では「認知の衰え」を自覚することはなかなか難しいものです。
詐欺グループはそこにつけこんでくるのです。
加齢による認知力の低下を完全に防ぐことはできません。
しかし、「自分もだまされる可能性がある」「周りに相談する」ということを覚えておけば、リスクは下げることができます。
まとめ
・振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺にあいやすいのは高齢者
・そのなかでも、70歳以上や女性はターゲットとなりやすい
・「自分に自信がある」「相談する先がない」「認知力が衰えてきている」という人はリスクが高い