今年は日本全国で地震や台風などの自然災害により、多くの死傷者を出しています。
特に自然災害に弱いとされている首都圏では、今年はまだ大きな災害が発生していないものの、いつ起こるかわからない自然災害に警戒している方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか。
首都圏では都市環境が原因で、自然災害によって甚大な被害が出てしまう可能性が高いと予想されています。
『過去の事例』や『将来の予想』を基に、東京の都市構造と自然災害対策について調べてみました。
なんと確率70%?
30年以内に起こる首都直下型地震
(写真:1923年・関東大震災で大きな被害を受けた東京の様子)
今首都圏に住んでいる人は『地震や台風で自分が被災することはないよ!』『首都圏には多くの人が住んでいるから、誰かが助けてくれる』『建物が多いからそこに逃げられる』と考えている人もいるのではないでしょうか。
確かに地方と比べて人や建物は首都圏のほうが多いですが、これが原因で自分が被災する可能性を高めることになるかもしれません。
例えば、今後起こりうる自然災害に「首都直下型地震」があります。
マグニチュード7程度の首都直下型地震が、今後30年以内に発生する可能性は約70%と予測されています。
建物の全壊数、および火災で焼失する軒数は約85万軒、負傷者は21万人、死者は1万人と予想されています。
もし将来首都圏でこのような地震が発生してしまえば、建物の多い首都圏では1次的な地震の揺れの被害だけではなく、火災や建物の崩壊などによる2次的な災害被害での死傷者が多く発生してしまうと予想されています。
また人の多さが原因で交通渋滞や帰宅困難者が出てしまい、最悪パニックが起こる可能性もあります。
人口密集地帯では安全に避難することができなくなる可能性が非常に高いのです。
このように首都圏の人口や建物が密集した都市環境が影響で、多くの2次的な被災者を出してしまう可能性があります。
首都圏は「観光したい!」「住んでみたい!」と少子化の今でも人口は増加傾向ですが、災害時の対応が独特であることを意識する必要があります。
えっ! 水害にも弱い?
東京の都市構造の悪さ
また過去の事例からも都市構造の悪さも指摘されています。
平成25年7月23日に東京都では局地的に雷を伴った猛烈な雨が降り、23区西部を中心に大雨となりました。
この大雨の影響により、東京都では床上や床下の浸水の被害が発生したほか、道路冠水による交通障害も発生し、鉄道や航空機など交通機関にも影響をおよぼしました。
浸水が起きた原因としては、アスファルトによる水の吸収の悪さや建物の構造問題が挙げられています。
この他にも数々の過去の事例からも、東京都は自然災害に弱いと言われ続けていますよね。
北国ではなんでもない日常的な降雪量でも、東京では都市機能が完全にマヒして毎年のように大きなニュースになっています。
都市構造の悪さが原因で、自然災害により多くの被害者が出てしまう可能性があります。
自然災害に弱い東京……
私たちが生活する中でできることとは?
このように首都圏の中でも東京は特に人口・建物が密集しているため、自然災害には弱いと言われています。
地震、大雨、台風、大雪……今後も自然災害は待ったなしで多発的に起こります。
では首都圏にいる人はこれらの自然災害からどのように身を守り、どのような意識で今後生活していけばよいのでしょうか?
現在東京都では多くの防災対策がとられています。
その一つが防災ブック『東京防災』の配布です。
東京都は首都直下地震等の様々な災害に対する備えとなるよう、一家に一冊常備され日常的に活用できる防災ブック「東京防災」を作成し、都内の各家庭宛てに配布をしています。
都内の全家庭に配布するということは、それほど危機感をもって生活してほしいということですよね。
都民の防災意識を変えたいという気持ちが伝わってきます。
私もこの防災ブック『東京防災』を持っており、手に取りやすいところに置いています。
災害時にどの地域が危険なのかをわかりやすく書いてあるので、自分で避難場所を見つけすぐ行動できるような準備ができるのでおススメです。
またこの『東京防災』は1冊140円でネットショップのAmazonなどで販売しています。
まだ持っていない方や将来東京に住むという方は、ぜひ購入してみてはどうでしょうか?
(写真:2016年9月4日東京スカイツリー前で防災訓練を行う小池都知事)
このように、いつ起きるかわからない災害から身を守るには、ただ都市構造を強化するだけではなく、私たちの事前の準備のほうが重要なのかもしれません。
日ごろの防災意識を向上させ、突然の災害にも対応できるような心構えが大切になってきます。
まとめ
- 首都圏は自然災害に弱い都市構造を持っている
- 首都直下型地震の可能性も高く、その被害も甚大である
- 建物の構造上、大雨による水害にも弱い
- 都市構造を早急に変えることは難しい……ならば私たちの防災意識を変えることができれば、自分の身を守ることができるかもしれない