本日、9月1日は防災の日です。
防災の日とは台風や地震といった様々な災害に備えようという目的で作られた記念日で、1959年9月26日に戦後最大の被害を出した「伊勢湾台風」が制定のきっかけとなり、1923年9月1日に発生した「関東大震災」にちなんで日付が定められました。
この日を中心とした1週間は「防災週間」として「ビッグレスキューかながわ」などをはじめとした大規模な防災訓練が全国各地で行われます。
でも「防災」と言われてもなかなか具体的なイメージがわかない……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に震災を体験していない子供に「防災意識」と呼び掛けても、なかなか伝わらないこともあると思います。
そこで本日は家族で防災・危機管理を学ぶのにうってつけのアニメ「東京マグニチュード8.0」をご紹介します。
「東京マグニチュード8.0」とは?
首都を襲う大地震の被害をリアルに描いたアニメ

(c)東京マグニチュード8.0製作委員会
「東京マグニチュード8.0」は2009年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されたアニメで、東京消防庁・海上保安庁・陸上自衛隊といった防災機関が制作に協力しています。
内閣府も防災をテーマとしたポスターに、本作のキャラクターを起用しました。
物語では2012年7月21日マグニチュード8.0の地震が東京湾北部の海溝にて発生、死者18万人・行方不明者15万人という被害が出る大災害が起こります。
主人公の姉弟が2人で遊びに来ていたお台場から世田谷の自宅へと帰ろうとする道中、被災地で起こりうる光景や問題をできるだけリアルに描いています。
アニメーションとはいえ深夜に放送されていたこともあり、展開は衝撃的でした。
未見の方は、ぜひ実際に観てご確認ください。
劇中で描かれるリアルな対応
専門機関が関わっているからこそ出来る描写
東京マグニチュード8.0の中では、病院や自衛隊・消防庁などの防災機関のリアルな震災対応を見る事が出来ます。
例えば、主人公の弟が倒れた時に運ばれた病院では「トリアージ」という選別が行われました。
トリアージとは大規模災害の時などに行われる負傷者の度合いをレベル分けする処置で、一目で患者の状態が判断できるように色別の札でマーキングします。
この札の色によって治療開始の順番を決め、限られた人員と設備の中でより多くの方を助けるために効率的な治療を行います。
また世田谷までの帰路の途中で広域避難所に指定されている公園に立ち寄るシーンでは、陸上自衛隊の給食支援や医療支援といった対応が描写されています。
都内の被災地各地に展開した派遣部隊が相互に情報を共有し合う描写もリアルに再現されています。
アニメ「東京マグニチュード8.0」には、実在の場所・建物が数多く登場します。
例えば震災時には水上輸送基地として指定されている日の出桟橋が、ストーリー中で被災者を載せた水上バスの到着地点として登場しています。
他にも地震による液状化現象の表現や三軒茶屋で発生する火災の描写もあり、地震の影響で起こる二次災害や余震による建物の倒壊といった表現にも余念がありません。
このアニメを見る事により東京都で想定される震災被害の様子をある程度認識する事が出来るでしょう。
アニメ「東京マグニチュード8.0」は約20分×全11話あり、一気に観る事はなかなか難しいかも知れません。
ですが、防災の日をきっかけに1話ずつ観てみてはいかがでしょうか。
DVDなどのレンタルや、ソフトの購入が可能です。
また作品の舞台となった臨海副都心にある「東京臨海広域防災公園」映像ホールでは、アニメのストーリーを簡潔にまとめ直した「東京マグニチュード8.0~東京直下72h~」が上映されています。
このダイジェスト版は1回約20分です。
こちらを観に行かれて、さらに防災体験学習ができる施設でご家族と一緒に楽しみながら防災や危機管理に関して学んでみてはいかがでしょうか?
防災の日を中心とした防災週間の間は、全国各地で防災に関するイベントが行われています。
是非、足を運んでみてくださいね。
まとめ
- 9月1日は防災の日。1959年の伊勢湾台風を契機に、1923年に起こった関東大震災にちなんで日付が決められた。
- 「東京マグニチュード8.0」は東京で起きた地震をリアルに描写したアニメ作品。各防災機関の対応もリアルに表現されているので、防災意識向上・危機管理のために是非参考に。
- 東京臨海広域防災公園ではアニメ「東京マグニチュード8.0」の約20分バージョンが鑑賞できる。さらに防災体験学習ができる。