「地震や大雨による被害があった」と聞いたとき、私たちは、つい「地震そのもので起きた被害」「大雨に流された」などのようなものを想像してしまいがちです。
これは確かにとても危険なものです。
しかし災害によって起きる被害は、「災害そのもの」だけによって引き起こされるものではありません。
ここでは、「都市型災害」「二次災害」について見ていきましょう。
都市型災害とは何か
まずは、「そもそも都市型災害とは何か」ということから見ていきましょう。
これは、「都市(都会)に見られるものであり、その建造物などが原因で起こる災害や二次災害」のことを言います。これが起きると、ライフラインなどが分断される可能性が極めて高く、多くの被害を出すことになります。
具体例を挙げていきましょう。
たとえば、地下鉄や地下街が浸水してしまい、それによって溺死が起こるなどのケースがこれにあたります。
地下には逃げ場がないうえに、コンクリート建造物なので土とは異なり水を受け止めることもできません。このため、このような状態が起こり得るのです。
また、「火災」も都市型災害の一つとして挙げられます。
地震が起きたときに発生した火が、次から次へと家々を焼き、延焼させていくのです。
1995年に起こったこの地震では、特にこれによる被害が大きかったとされています。また、今から100年ほど前に起こった未曾有の大災害である関東大震災もまた、都市災害によってその被害が拡大しました。
対策について
都市化が進んでいる現在、それ自体を止めることはできません。そのため、都市に住む人間として、「自分でできる対策」を考えなければなりません。
まず、ハザードマップを確認し、自分の住んでいる(通学・通勤している)場所の安全性について確認しましょう。
地下にいるときというのは、地上の天気に対して無関心になりがちです。しかし雨量の増える時期などは、特に「地上の天気」「降水量」に注意を払いたいものです。浸水が30センチ以上になると、外開きのドアは開かなくなる可能性があります。
また、マンションなどの高層階などの場合は、避難する際にはエレベーターを使ってはいけません。停止する可能性があります。
地震が起きたときに火を使っていたのならば、可能ならばすぐに消しましょう。ただ、火を消しに行くことで被害に巻き込まれそうな場合は慎重に判断しなければなりません。
まとめ
・都市型災害とは、自然災害が起きた時に、都市のあり方によって引き起こされる二次災害を言う
・阪神淡路大震災や関東大震災のときに非常に多く見られた
・ハザートマップや、地下にいるときの地上の降水量を把握することで、リスクを低くできる
・エレベーターは使わない。火を使っている場合は可能ならばすぐに止める。難しいようならば揺れが収まってからにする