53年前の今日、10月10日は東京オリンピックの開会式があった日です。
2020年は再び東京オリンピックが開催されます。
開催まであと3年となった今、ISILなどのテロリズムや北朝鮮といった隣国の脅威があるなかで日本政府はオリンピック会場の安全を確保する取り組みが求められています。
ソチオリンピックの時は、DEFENDER-Xという新しい器材が使われ、事件の抑止に効果を発揮しておりました。
今回は、警察庁が発表している資料を基に、どの様な脅威が考えられるのかと警備体制の施策を調べてみました。
東京オリンピックに迫る脅威
宗教的テロの脅威
かつてオリンピックはスポーツの祭典として国際的に注目されると共に、政治的なメッセージを世界的に発信したいテロリスト集団にとって格好の標的とされてきました。
1972年に起こったドイツ・ミュンヘンオリンピックでのテロ攻撃では、イスラエル人選手を標的としたパレスチナ人武装組織により11名の選手が命を奪われました。
1996年にはアトランタオリンピックにて、近代五輪100周年記念で作られた公園が爆破テロの対象となり2名が亡くなり多数が負傷するという事件もありました。
犯人であったキリスト教原理主義者の男性は2003年に逮捕され、2015年には爆弾を発見し避難誘導を行うも、犯人と疑われた警備員を主役とした映画の作成も20世紀フォックスより発表されています。
日本でもこのようなテロが起こる可能性は否定できません。
例えば、国際的な脅威としてはイスラム原理主義武装集団であるアルカイダやISILが日本を標的対象と考えており、2016年7月のダッカ・レストラン襲撃事件では邦人7名が殺害され、2013年のアルジェリアで起こった日揮天然ガスプラント襲撃事件でも10名が亡くなっており、日本人を標的とした大規模テロの危険性は高まっています。
また、国内の危険組織としてオウム真理教(現アレフ)や日本赤軍といった現在も活動を続けるテロ実行組織があり、公安調査庁が現在も監視を行っています。
特にオウム真理教やISILなどは政治的な目的によるテロというよりも宗教的目的のためのテロに走る危険性があり、地下鉄サリン事件のような無差別化学テロ事件を起こす可能性もあります。
日本政府の対応
伊勢志摩サミットから続くテロ対策
2015年6月、翌年5月に行われる伊勢志摩サミットへ向けて警察庁は警備対策委員会を設置し、開催地の三重県警を中心として徹底的な警備網の構築が行われました。
その内容は、各国首脳が宿泊する賢島(かしこじま)への交通網を規制し、関係者と地元住民以外の入場を制限するという徹底ぶりで、水上も海上保安庁と連携し警備艇や水中ソナーで警戒すると共に、ドローンや航空機によるテロを防ぐ為、防衛省や国土交通省の協力により飛行制限区域が設けられました。
旅客機に対する警察官の同乗や空港での乗客検査も徹底して行われています。
また、開催地以外の大都市などでも、サミットに関連付けたテロが発生する事を防ぐ為に人が集まる公共機関やショッピングモールなどの警戒を実施しました。
この伊勢志摩サミットでの警備体制を教訓として、2020年の東京オリンピックでもテロといった問題が起こらないように引き続き警戒態勢の構築が進められています。
2017年7月にはオリンピック期間中の情報収集とリスク分析などを行うセキュリティ情報センターを警察庁内に設置する事が決められています。
またオリンピック会場となる東京都を管轄する警視庁では2015年1月に総合対策本部を設置すると共に、2016年11月よりMPD-TOKYO2020 Sponsorship Patnership(P3TOKYO2020)を設立しテロ攻撃やサイバー攻撃に対する安心・安全の実現を目指しています。
これは警視庁とパートナー契約を結んだ企業が一丸となって取り組んでいくというシステムで、オリンピック組織委員会とも連携していきます。
2020年の東京オリンピックは、2016年のリオデジャネイロオリンピック閉会式でも注目された様に、多くの人が日本に注目して東京を訪れるでしょう。
その時、人々が安心し選手が全力を発揮できるよう政府には警備体制の施策を念入りに行って貰いたいですね。
まとめ
・東京オリンピックではテロの脅威が高まる
・警察庁では伊勢志摩サミットから東京オリンピックに向けての警備強化を続けている
参考サイト
◆公安の維持 警察庁
◆DEFENDER-X