2000年に噴火した火山の為、4年半もの間避難生活を続けた東京都三宅島の住民が帰島してから10年以上の歳月が経ちました。
2015年も鹿児島県の口永良部島(くちえらぶじま)で火山の噴火による全島民の避難があり避難生活が続いています。
島しょ部は他の土地と海を隔てて離れている為、災害が起こった時には迅速な対応が求められます。
東京都の対策を参考にしつつ、災害時の孤立を避ける島しょ防災の試みを調べてみました。
速やかな避難
自助と共助に取り組んで互いに助け合う
島しょでは国や自治体による公助が届くまでどうしても時間が必要になります。
助けが来るまでの間、住民たちが自力で対応を進める必要があります。
例えば日頃から津波や地震、火山に対する訓練を行い、万が一の時にスムーズな避難を行える様に島で一丸となって訓練しています。
防災用品の備蓄も通常は3日間程度と言われていますが、1週間程度を目安として準備する様にされています。
公助の分野でも対策は進んでいて、避難に支援が必要な高齢者や障がい者の為に島から離れる際の避難支援を行うプランを作成したり、災害用燃料や自立分散型電源などの緊急用エネルギーの確保や備蓄物資の充実を進めています。
島しょならではの試みとしては、航空機や船舶を用いた支援物資の輸送計画や急患輸送の為にヘリポートや岸壁の整備が進められています。
減災の努力
災害による被害を最小限に留める
島しょで東京都が心配している事として津波による被害があります。
事前に災害を留める減災の試みとして津波避難施設の整備が行われています。
これは津波が到達する時に沿岸部などで速やかに避難出来る建物を造る事で、一人でも多くの人命を救おうという試みです。
南海トラフ沖地震などの影響で一番高い津波が押し寄せる事が想定されている新島では、津波高が29m以上になる事が予想されており、避難施設の建築は急務となっています。
加えて漁業施設の耐震化や防波堤の改良が進められており、地震による土砂災害で避難経路が無くならない様に避難路の整備も引き続き行われていきます。
津波や地震に対する備えは火山や台風などの被害にも役に立つ事が想定され、今後も益々充実させていく事が求められています。
東京都だけでなく全国で進められていく対策なので、地元の対策が気になりましたら、一度市町村の担当部署に問い合わせてみましょう。
一日でも早く避難生活中の口永良部島の人々が帰島出来る事を祈りつつ、災害への備えをしっかりしていきたいですね。
まとめ
・離島では自助・共助の取り組みが大切となる
・1週間分の備蓄を貯める事と避難経路の確保が大切
・津波に対する設備の建設等が急がれている
参考資料
◆東京都防災ガイドブック
◆東京の防災プラン進捗レポート2016