盗聴器は、一般の家庭にも仕掛けられている可能性があります。盗聴器を仕掛けられるということは第三者に会話を盗み聞きされるということだけではなく、犯罪に巻き込まれる危険が高まるということでもあるのです。
しかし、残念ながら盗聴器が仕掛けられている家庭では、その事実に気がついていないことが多いようです。実害がない段階では、盗聴器の存在を疑うことがないのでしょう。
それでもある日突然、部屋の中で盗聴器らしきものを発見することがあります。盗聴器があればすぐに取り外したいところですが、それは正しい対処法とは言えません。それどころか、盗聴器を外したことで危険な目に遭う可能性があるのです。
そこで今回は、盗聴器を発見したらどのように対処すればいいのか詳しく見ていきましょう。
盗聴器を仕掛ける目的

盗聴器を仕掛ける目的は様々です。
例えば、恋人や配偶者による浮気調査や監視目的。親族や配偶者の家族からの身辺調査など、身近な人から盗聴器を仕掛けられるときは情報収集や監視のためであることが多いでしょう。
他にも、歪んだ愛情を持ったストーカーから仕掛けられることがあります。この場合、盗聴器を仕掛けたことにより、嫌がらせやストーカー行為が過剰なものになる危険性が高まります。
また、窃盗犯が盗聴器によって家庭状況を知り、留守を狙って空き巣に入ったり、第三者が盗んだ情報を脅迫材料に使うこともあります。
これらは目的に沿った盗聴行為ですが、中にははっきりとした目的はなく性的趣向を満たすため、もしくは盗聴自体を単なる趣味にしている人もいるようです。
盗聴器自体は犯罪とは言えない
盗聴する行為は犯罪ではありません。盗聴器を購入して使用したり、販売することも違法性はないのです。ちなみに浮気調査の目的で、自宅や自分名義の車に盗聴器を仕掛けても何ら問題ありません。そして入手した情報は証拠としても使うことができます。
しかし、他人の家に不法侵入し、盗聴器を仕掛けたら住居侵入罪に問われます。また盗聴器の電波出力を不正に上げたり、入手した個人情報を他人に漏らしたら電波法違反、盗み聞きした情報で、相手を脅したら脅迫罪になります。
ストーカーがエスカレートして、対象者に盗聴器を仕掛けた場合はストーカー規制法に科せられる可能性があります。
盗聴器を発見したときの対処法

盗聴器を発見したら警察に相談し、業者に依頼することをお勧めします。当然、盗聴器が仕掛けられた部屋で生活を続けるのは安全とは言えないので、信頼できる人に相談し、一時的に避難することも忘れてはいけません。可能であれば引っ越しも視野にいれましょう。
そうとはいえ、盗聴器を仕掛けられていることを知った時点で、すぐにでも取り外したいところですよね。今現在も、誰かに聞かれているかもしれないと思うと恐怖でしかありません。
しかし、見つけた本人が盗聴器を外すことは危険です。なぜなら盗聴器を仕掛けたのがストーカーや窃盗犯などの場合、犯人が再び部屋に盗聴器を仕掛けるために現れ、鉢合わせる可能性があるからです。場合によっては犯人が、盗聴器を仕掛けたのが誰なのかを特定されたと勘違いして、危害を加えるかもしれません。
自分の身を守るためにも、なるべく犯人に盗聴器を発見した事実を隠すことが必要です。もし犯人に心当たりがある場合でも、警察や第三者を交えて対応するようにしましょう。
まとめ
・盗聴器の売買や使用は犯罪ではない
・盗聴器を発見したら自分で取り外さず警察に相談
・盗聴器を発見したことを犯人に知られるのは危険