本日未明2016年11月22日午前5時59分ごろにマグニチュード7.4の地震が発生しました。
震源は福島県沖で、福島・宮城に津波警報が発令されました。
すでに宮城県の仙台港では午前8時3分に1メートルを超える津波が観測されています。
東北地方の太平洋沿岸部のみならず、茨城県や千葉県・伊豆諸島でも津波が到達しています。
今後も余震や津波には十分に警戒してください。
2016年から11月5日は「津波防災の日」と定められ、直後の津波発生となりました。
東日本大震災でも津波により尊い命が数多く失われましたが、津波からより多くの人が避難できるように様々な施策を行っています。
その一つである「津波避難ビル」について詳しく調べてみました。
津波避難ビルの目的
津波からの緊急避難先
「津波避難ビル」は内閣府が中心となって定めた防災施設です。
東日本大震災で津波被害のあった地域や、首都圏に大きな被害を及ぼす事が想定されている南海トラフ沖地震といった災害に備える為に作られた制度です。
海に面した大都市である東京や横浜、海抜より土地が低い名古屋といった地域では津波が発生した時に多くの人に充分避難出来る時間が取れない可能性があります。
場所によっては付近に高台がない場合も想定され、代わりとして避難場所となる中・高層ビルに白羽の矢が立ったのです。
今日発生した地震でも気象庁から「すぐに高台か津波避難ビルに逃げてください」と呼びかけが行われています。
津波避難ビルの条件
一時的避難施設として機能する事
津波避難ビルは津波による浸水が考えられる地域で、一時的な避難場所を提供出来る事が求められています。
その為、長期間の宿泊といった能力は備える事が求められていません。
最低限の能力として、付近の人間が津波到達までに安全な階まで避難出来る事と、地震と津波に耐えられる頑丈さが必要とされています。
例えば、水没する深さが2m以上予想される場合は3階建て以上のRC(鉄筋コンクリート)またはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造の建物である必要があります。
収容する人数に関しては、近隣住民だけでなく観光客なども含める必要があり、収容人数に余裕を持つ必要があります。
普段のセキュリティーをどの様に確保するかという事も問題となります。
夜間管理者が居ない時間帯に津波が発生して、ビル内に人が入りたくても施錠されていて入れないという事があれば避難設備としての役割を果たせません。
緊急時の入り方を検討する必要がありますが、不特定多数の人が入る点や緊急時以外に入室される可能性からセキュリティー問題が浮上してきます。
ビル管理者は問題を解決しつつ、津波避難先として機能させる必要があります。
避難する側の注意点
自動車はできるだけ使わない
地震でも同じ事が言えますが、津波の時も避難に自動車を用いる事は原則禁止されています。
理由としては、家屋の倒壊などにより自動車が交通困難な状況が想定される事や交通渋滞を招く事、津波に自動車が流されて被害を大きくする可能性があるからです。
ただし、高齢者や身体が不自由な方といった災害時に援護が必要な方々の避難や、家屋が密集しておらず渋滞や徒歩避難の妨げになる可能性が低い場所では自動車による避難も検討されています。
津波避難ビルには、既存の建物を利用せず新規に建設された物もあります。
新しい施設は非常用電源設備や防災備蓄庫といった防災施設も備えており、より災害に強い総合防災施設となっている傾向があります。
平時も集会所や資料館として開放されている場所もあるので、一度近所にある津波避難ビルを探して訪れてみるのもいいでしょう。
津波からビルへ逃げる人が描かれた標識が目印になります。
まとめ
◆津波避難ビルは津波から一時的に逃れる場所を提供する。
◆津波に耐えられる頑丈な高いビルである事が条件。
◆避難する人は原則徒歩で避難する。
参考サイト
津波避難ビル等に係るガイドライン 内閣府